バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

かぷかぷ笑ったよ

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毎日、子ども達に音読の宿題が出るため、手を動かしながら耳を傾けている。

 
息子は今、宮沢賢治の「やまなし」を読んでいる。
 
「やまなし」は何度か読んでいるので、内容は把握しているつもりだったが、息子が読み上げるのを聞いているとまた違った景色が見えてくる。
 
クラムボンはかぷかぷ笑ったよ」
 
息子は「かぷかぷ」を空気を大きく吸い、含みをもたせながら「かぷかぷ」と読むので、言葉が波に浮かんでいるような気がする。かぷかぷ。
それを聞くと、私も娘も「かぷかぷ」「かぷかぷ」と同じように言いたくなって、その時ばかりは「かぷかぷ」しか言わない私達の会話が始まる。
 
「かぷかぷ。」
「かぷかぷ?」
「かぷかぷ!!」
 
もう、何のことやらわからない。
親子だから辛うじてわかるかな?と言うくらい。
 
そして、娘はその後、Eテレにほんごであそぼ」でやっていた「クラムボンは笑ったよ〜♪」の歌を歌いだす。
リズムに乗った「やまなし」はまた違った味わいがある。
 
『やまなし』は「青い幻灯」「つぶつぶあわ」「波から来る光のあみ」「金雲母のかけら」「月光のにじがもかもか集まり」などの綺麗な言葉が並んでいてとても素敵だ。
その傍で「つうと銀の腹をひるがえして」と表現された魚が「白い腹がぎらっと光っていっぺんひるがえり」と変わるのが面白いなぁと思った。「つうと」から感じられる穏やかな雰囲気が「ぎらっと」に変われば、そりゃ何か起きたでしょう!?と思わずにはいられない。短い言葉で変化を表現出来るって素晴らしい。
 
そのような文章だからこそ、永く愛されるのであろう。
 

(全文読まれたい方はこちらをどうぞ。「宮沢賢治 やまなし」) 

***
 
私がいつも書いているブログは、日常に漂っている空気でしかないけれど、それでも「嬉しかった」とか「読んで良かった」と言ってもらえる時があって、それはきっとその人と私の波長が上手く合致した時なんだなぁと思うとなんだか嬉しい。
 
 
唐突だが、私のブログへの検索流入ワードの大半は「学校へ行きたくない」である。
それは以前にこちらの記事を書いたからだ。  
 
 
 毎日毎日、「今日は学校へ行きたくないな…」と思った人がコレを見て何を思うだろう?と考えたりもするが、答えはなくても一息つければ、それで良いのかなとも思っている。
 
「美味しいパンを食べた」と言うだけのブログに心惹かれる時もあるし、「仕事でミスをした」と言うブログで自分を省みたりもする。
日常の中でそんなブログを読む時はいつもと違った風が吹き、新しい空気を運んでくれる。
 
私が仰々しいタイトルのブログより、さりげない普通のタイトルのブログに惹かれるのはそう言ったモノを欲しているからなのだとも思う。
 
今日も私と誰かの波長が合えばそんな嬉しいことはない。
 
 
PVよりもブックマーク数よりも私はそちらの方が嬉しいのです。