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バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

私はここにいます ~息子と息子の友達と話をして

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土曜日は運動会だった。

昨年は娘と息子の2人が参加していたが、息子が中学生になったため、娘だけの運動会であった。そこまで運動が得意ではない娘は演技で踊ることを一番楽しみにしていた。踊っている姿を目を細くしながら眺めていたが、得意気に踊る娘が可愛らしいなぁと感じた。好きだから得意になるのだろうけど、恥ずかしさなど余計な感情を排除し、純粋に楽しめることってこの先少しずつ減っていくのではなかろうかと思った。

自分自身の思いだけで突き進みたいけれど、周りが気になるジレンマが必ずやってくる。

いや、むしろ今もそのような場面にすでに遭遇している知れない。

***

運動会の最中、私は息子(はると)と息子の親友(ともきくん)の3人でたくさん話をした。ともきくんのお母さんとも話をするのだが、私はおそらくともきくんとの方が仲が良い。話のテンポと間合いがちょうどよいのだ。息子と仲が良いのだから、私と合っても何ら不思議なことはないだろう。

中学校での生活、昨年までは自分達が参加していた小学校の運動会を初めて外からみた感想。12歳である彼らからしか見えない言葉から私はいくつも気づくことがあった。

 

「体操の時、列が乱れてんなー」

「君たち気づいてなかったかも知れないけど、あれ、けっこう目立つんだよ」

 

「玉入れの時、どうしてぽーんと上に投げないのかな?その方が入る気がするのに」

「1年生だとそこまで作戦練らないよ」

 

自分たちが成長し、新たな目線を手に入れたことに気がつけただろうか。

 

「中学校は楽しい?」ともきくんに尋ねてみると「うーん、まあまあかな。部活は楽しいよ」以前に息子から聞いた言葉と同様「部活は楽しい」なんだなと思ったらクスッと笑えた。

息子がまた少々トラブルあってさぁ…という話をしたら「なに、またそんなんなってるの」と、ともきくんは言った。その言葉のニュアンス、表情から「なに、またそんなアホらしいことをするヤツがいるんだな」の言葉が透けてみえた。それと同時にこの子は息子にも非があるのではないかとか、そう言ったことは一切思わずに信じていてくれる人だと思えた。

ともきくんは僕のクラスはけっこう皆が仲が良いんだけど、はるとのクラスは見ててもなんか微妙なんだと話してくれた。「まあさ、先生はたくさんいるから上手く相談しながらやっていくよ」私と息子が目を合わせて話していると「うん」ともきくんは小さく頷いた。

それからはともきくんが小学3年生くらいの頃にクラスの子とトラブルになって、祖父母が相手の家に話に行ったこととか「うちはじいちゃん達が腹を立てて相手のうちに行っちゃうからなぁ!」って笑って言った。私たちも「じいちゃん、熱いなぁ!」と笑った。

運動会を終えてシートを片付け、私と息子とともきくんで校庭の端を歩いていると「あ、ともきじゃん」テンションの高い弾んだ声が背後からした。同級生の女の子の集団だった。女の子が固まるとこんな感じだよなと私は思いながら、この子達の声はスクールカースト上位の方の声だとも思っていた。ともきくんは軽く挨拶をする程度で女の子達の話に乗っかることはなく、女の子達は肩透かしをくらったような顔をしていた。その後、「じゃあね。はるともばいばい」と言い、去って行った。

 

自転車で来ていたともきくんは自転車を押しながら、私達と一緒に道路を歩いた。

からから回る車輪の音をしばらく聞いたところで、ともきくんは「さっき、はるとのお母さんが一緒で良かったわ」と言った。

「なんで?」

「さっき声をかけてきた女の子の後ろに前にトラブルになった子がいたんだよ。あれに絡まれると面倒だけど、きっとはるとのお母さんがいたから声をかけてこなかったんだと思う」

こちらを見ずに真っ直ぐ前を見ながら話すともきくんと、その横を少々猫背気味に歩く息子の姿にキュッと心が痛んだ。

「まあ、あれだね、そっちもなんだか色々大変そうだね。中学生はみんな少しずつ面倒だ」

「ねー!ほんとうに!」

3人で笑いながら歩いた。

まだきっと色々面倒だけど、とりあえず今は笑っておこうと思ったのだ。

 

***

先日、3月のライオン11巻を購入した。11巻を読み終えた後、私は1巻から読み直しをした。ひなちゃんがいじめられる場面は初めて読んだ当初も色々思ったものだが、今はそれとは微妙に違う気持ちも持っている。自分は間違ったことをしていないと言い切る彼女の強さと、現役で中学生をやっている息子達が輪の中で重なり合ってみえたりするのだ。小さなボタンのかけ違えからずるずる引っ張られてしまいそうなとき、私はなにか力になれるのだろうかと考えてしまう。

だが、ともきくんが「さっき一緒で良かったわ」と言ったことで、私はいるだけで良いのではなかろうかと思えた。

 

話を聞けること。

話せる相手であること。

そのために私はここにいるのだと思う。