バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

自由に本が読めるので。

f:id:bambi_eco1020:20180206215205j:plain

現在、放送されている「越路吹雪物語」を見ている。越路吹雪に興味があるわけでも出演者に興味があるわけでもなかったが、前クールの「トットちゃん!」の流れで今回も見始めたら思ったより面白くて毎日楽しみにしている。私は月丘夢路役の早織さんの雰囲気が好きなのだけれど、主演の瀧本美織さんの愛らしさもいいなと思っている。ストーリーから宝塚の華やかな雰囲気は感じられるが、会ったこともない人と結婚しなければいけない八重子の姿や戦時中の様子が時代を物語っている。先日の放送で、宝塚が発行している「歌劇」という雑誌の編集者、時子の家へ越路吹雪遊びにいくという場面があった。時子の家にはたくさんの本があるのだが、それらのほとんどは書棚ではなく押し入れの中に並べられていた。「なんで押し入れの中なの?」と問う吹雪に「特高警察に目をつけられても……まあ、変わった本はないんですけどね」と時子が答えていた。まだドラマはこの先も続くのだが、戦時中の娯楽には自由がないと思った。

今、佐藤亜紀の『スウィングしなけりゃ意味がない』を読んでいる。舞台が1940年代のナチス政権化のドイツで敵性音楽とされるジャズに夢中になる少年達の話だ。まだ途中までしか読んでいないけれど、戦時中の自由がどれほどあるかを感じるには越路吹雪物語と重なるところもあると思った。

それから前に読んだピエルドメニコ・バッカラリオの『コミック密売人』も思い出した。コミック密売人は1989年、独裁政権下のハンガリーが舞台で制限されていたアメコミを売りさばいていた少年の話だ。

自由を制限されるとどうにか抜け道を探して自由を求める。誰でもそうだろう。

私は生活の中で多少の我慢はあれど、読む本は制限されていない。読みたい本があったらどれでも手に取り、自由に読むことができる。

これほどの喜びってあるのだろうか。

自由の中にいると、自由であることすら忘れてしまう。制限されてはじめて「あの時は自由だった」と気づく。この先不安なことはいくらでもあるけれど、自由に本を読み、自由に動き回れる今を大切に思いながら楽しく過ごしたい。

がはははー!と笑って寝て本を読んで明日からも生きる!

 

 

スウィングしなけりゃ意味がない

スウィングしなけりゃ意味がない

 

 

 

コミック密売人 (STAMP BOOKS)

コミック密売人 (STAMP BOOKS)