バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

20191009 ~美容院にて

先日、髪の毛を切った。

いつもの美容院のいつもの美容師さんに髪の毛を切ってもらった。

私は髪の毛を長くしたり短くしたり、気分でころころ変えるので切る前に「伸ばす予定はありますか?」と聞かれた。質問はそれだけ。あとは美容師さんを信頼してるのでおまかせしている。担当美容師はこの日、とても忙しそうだった。あっちで切って、こっちで切ってついでに話もして…見ている私が目を回しそうだった。

「今日はいつも以上に大変そうですね」

「お待たせしてすみません」

「いや、そういうつもりで言ったんじゃないですよ。……会話をその都度合わせなきゃいけなくて大変かなって」

「あ……、ぶっちゃけ考えて話すのがいちばん大変だったりしますね」

「やっぱり」

「ずっと話を聞かせてくれるなら良いんです。相槌して、ふんふんって思ってれば良いんで。だけど、自分が考えて話すのは大変なとき、ありますよね」

「おっと!もしかしてこの質問も面倒なのでは!ちょっと黙っときますね」

「いえいえ、ぶっちゃけてる時点でラクにしてます」

 

話さないでオーラを出してる人はわかるので、そのときは話しかけないと美容師さんは言っていた。

「雑誌を読んでる人には基本的に話しかけませんね」

「その方が良いと思います。だってあれ、話してくれるなアピールですから!(客目線)」

いつもの調子で適当な話をし、緊張せずにいられる美容院があるのは幸せなことだな。

こないだカードのスタンプがたまって新しいカードをもらった。

「このカードを手にしたお客様は毎回割引です!」

カードを受け取りながら、嬉しいけれど毎回きっちりお金払っても良いのに……と思っていたのだった。

 

 

子どもを「子ども扱い」しないこと

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子どもを産み、育てる中で私は何度も「子どもにどうあってほしいのか」を考えてきた。今もずっと考え続けていることであり、その都度、思考の修正や更新を重ねている。

こちらを読んだ。

ninaru-baby.net

内容にほぼ同意であった。というより、私も幡野さんの考えに近い状態でずっと子どもを見守ってきた。

以前にも書いたかも知れないが、私は子どもが自立した人になることを目的としてずっと接してきた。

「自立」とはなんだろうか。自立と言えば、経済的自立が1番最初に浮かぶかも知れないがそれだけではない。自分の考えや置かれている立場を理解し、適切に相手に伝えられる能力を育てること、また、自分の力で対応仕切れない場面に遭遇した際、助けや協力を得られる人であることなども自立だと考えている。

先日、知り合いが「なぜ勉強しなければいけないのか」と子どもに聞かれたらしい。とても良くある質問であり、通販の「良くある質問」につけ加えたいぐらいだが、答えは各々違うのだと思う。

私も以前に子どもに問われたことがある。そのときは「勉強をすることはあなた自身を守ることにつながるので、最低限の勉強はした方が良い」と答えた。例えば、何か生活に困り、助けを求めたいとする。その時に適切な相手を探す、アポイントを取る、その場所まで赴く、現状を伝える、これらの段階を踏むことと、こなすことができなければ自身の状況を回復するまでに時間がかかることなどを説明した。あと、身近な人とのトラブルなども法律の勉強を少しすることで抑止力になるとの記事を読んだので、自分の身を守るために勉強するというのは遠からずなのではないかと思っている。

 

幡野さんの文章に失敗についての記述がある。

人生に失敗はつきものなのだから、失敗に対処する力が大切だ。

私はこの部分を読んで、首をぶんぶん縦に振っていた。

私もたくさんの失敗を繰り返している。穴があったら入りたいと思うけれど、その都度穴を掘って入っていたら私の周りは穴だらけで歩く場所がないに違いない。失敗は必ずするものである。だから、失敗を恐れるのではなく、対処する力を身につける。とても大事なことである。また、私がもう一つ思うのは、自分で選んだ道や方法で失敗をしたとしても諦めがつくことだ。

そんなことを以前に書いたなと思ったら、息子が転学した記事だった。

bambi-eco1020.hatenablog.com

「失敗したらどうするんだ」

「そんな子どもの言うこと間に受けてどうする。なんとか学校へ行かせるのが親のつとめだ」

「子どもの意思を尊重するってなんなの。笑っちゃう」

この頃、私が浴びせられた言葉の数々を私は忘れない。

全部をのんで、息子には「あなたの好きにしたらいい」とだけ伝えた。

 私はずっと子どものことを子ども扱いせずに過ごしてきた。子どもの言うことだからなんだというのか。ただの一個人の意見ではないのか。子どもをずっと見てきた親であるならば、子どもが言うことが足りないと思えば、そこから考えられる良し悪しを一緒に考え、また、子どもに選ばせたらいいのではないだろうか。 

 子どもの人生は子どもが主人公の物語である。RPGの主人公である子どもが色んな人の意見を聞きながら考え、自分自身を操作するのであって、他の者が操作するものではない。まだまだ先が長い物語になるのだと思うけれど、失敗を繰り返しながら歩く道を決めていけたらいいのではないかと思っている。

 私はへらへらしながら見守ることにする。

 

毎日、こういうことばかり言ってるので

「お母さんがいちばんおかしい!」と言われています。 

 

 

メルヘンハウス二代目の「今、手渡したい1冊の絵本」を手渡されてきた話

皆に親しまれていた子どもの本専門店「メルヘンハウス」が閉店したのは2018年3月のことだった。私も閉店前の2018年3月にお店に寄らせて頂いた。店内はたくさんの人で溢れていた。皆がメルヘンハウス閉店を惜しみ、感謝の気持ちを表している光景が見受けられた。

 ***

メルヘンハウス閉店後、2代目店主である三輪丈太郎さんは動き出した。

「子どもたちに良い本を!」

丈太郎さんは実店舗再開へ向け、講演会やイベント、本のセレクトなど絵本に関する仕事を精力的に行われている。

2019年9月。名古屋の千種、今池界隈で「本を読む時間」というイベントが行われた。いくつもの参加店が発表になる中、気になる情報が飛び込んできた。

メルヘンハウスが2日間のみ復活するというのだ。

復活と言っても店舗はない。ではどういった形になるのかと言えば、「本を読む時間」参加店の場所を少しお借りして、丈太郎さんが絵本を販売するとのことだった。

しかも内容を読んで驚いた。

「1冊の絵本を丁寧に手渡していく」

今回は、「今、私が手渡したい1冊の絵本」と題して、迷いに迷ってセレクトした1冊の絵本を、100冊用意して皆さんに手渡したいと思っています。

丈太郎さん自身がプレゼンをし、選んだ1冊だけの本を2日間で100冊販売するというのだ。そして、選んだ1冊はシークレット。足を運んだ人だけが何の本か知ることができる。

私はカレンダーを確認し、行くことを決めた。

丈太郎さんが今、手渡したい絵本とはなにか。

また、どんな語りをするのか気になったのだ。

当日。私は名古屋のシマウマ書房へ向かった。シマウマ書房の1階に丈太郎さんの姿があった。ちょうど客足が途切れたところだったようで、壁沿いに並べられたたくさんの絵本を娘と手に取り、話をしていた。

「ここにたくさんの絵本がありますが、これらは販売していません。今日、私が販売するのはこれ1冊のみです」

丈太郎さんが話し出した。

丈太郎さんは「このよで いちばん はやいのは」を手に持っていた。

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そして、私と娘だけに本の内容を話始めた。

以下、ネタバレ含みます。

「はやい」ってなんだろう。

ウサギとカメのはやさをくらべるページから話は進んでいく。いろんな動物の足の速さを比べ、そのあとに新幹線やジェット機が描かれている。モノとしての速さについて何ページか語ったのち今度は音、自転、公転、そして光と続いていた。

だが、そのひかりより もっと はやいものがある。

ここで、ふと、なんだろう?と皆さん考えるのではないだろうか。

私も例にもれず、なんだろうと首を傾げた。

丈太郎さんはページをめくる。

それは にんげんが あたまのなかに なにかを おもいうかべたり かんがえたりする ちから、 そうぞうりょくだ。

想像力は時も場所も越え、一瞬のうちにそこにたどり着く。

私達の頭の中に広がった想像力の海は果てしなく、どこまでも広がっている。

 

話を聞き終えた娘はこの絵本を購入する!と言った。

丈太郎さんは袋に本を入れてくれ、「すてきな三にんぐみ」のバッジをおまけとして下さった。

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 家で袋開けると、こんな紙が入ってきた。

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 内容は、本来、絵本を手渡す際はアドバイス程度にして、自分の思考や解釈を語らないようにしていること。しかし、今回はご自身の「ご法度」としていた想いをこの絵本に乗せて届けたかったことなどが書かれていた。

「子どもたちに良い本を!」

私もずっとずっとそう思っている。

 

翌日、Twitterを眺めていたらこんなツイートが流れてきた。

 

無謀とも思えた100冊の絵本を手渡すイベントは2日目のお昼過ぎには完売したのだった。

丈太郎さんの思い、皆さんに届いたのではないでしょうか。


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素敵なイベントに触れられた喜びと絵本を抱えて

私はこれからを過ごしていくことにします。

 

 

このよで いちばん はやいのは (かがくのとも絵本)

このよで いちばん はやいのは (かがくのとも絵本)