先日、髪の毛を切った。
いつもの美容院のいつもの美容師さんに髪の毛を切ってもらった。
私は髪の毛を長くしたり短くしたり、気分でころころ変えるので切る前に「伸ばす予定はありますか?」と聞かれた。質問はそれだけ。あとは美容師さんを信頼してるのでおまかせしている。担当美容師はこの日、とても忙しそうだった。あっちで切って、こっちで切ってついでに話もして…見ている私が目を回しそうだった。
「今日はいつも以上に大変そうですね」
「お待たせしてすみません」
「いや、そういうつもりで言ったんじゃないですよ。……会話をその都度合わせなきゃいけなくて大変かなって」
「あ……、ぶっちゃけ考えて話すのがいちばん大変だったりしますね」
「やっぱり」
「ずっと話を聞かせてくれるなら良いんです。相槌して、ふんふんって思ってれば良いんで。だけど、自分が考えて話すのは大変なとき、ありますよね」
「おっと!もしかしてこの質問も面倒なのでは!ちょっと黙っときますね」
「いえいえ、ぶっちゃけてる時点でラクにしてます」
話さないでオーラを出してる人はわかるので、そのときは話しかけないと美容師さんは言っていた。
「雑誌を読んでる人には基本的に話しかけませんね」
「その方が良いと思います。だってあれ、話してくれるなアピールですから!(客目線)」
いつもの調子で適当な話をし、緊張せずにいられる美容院があるのは幸せなことだな。
こないだカードのスタンプがたまって新しいカードをもらった。
「このカードを手にしたお客様は毎回割引です!」
カードを受け取りながら、嬉しいけれど毎回きっちりお金払っても良いのに……と思っていたのだった。