バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

ミラーボールが回ったから

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あらかじめ決められた恋人たちへ×OGRE YOU ASSHOLE@池下UP SETへ行ってきた。

ライブハウスに足を運ぶのは約1年ぶりだったのでなんだか妙に心がウキウキしていたが、降りた池下の駅周辺はとても静かで、且つ入場のための整列は神社の前だったりしたのでとても落ち着いた気分になった。いい意味でのクールダウンになったかも知れない。

古いエレベーターに乗り、UP SETに入った。すぐに壁際へ移動し、寄りかかりながら本を読んだ。1人ライブは手持無沙汰になるので本は欠かせないお友達である。本を読み始めてからしばらくして、今回のライブはあら恋のツアーだからオウガはゲストなんだよなぁ…ってことはオウガが先じゃん!という事に気づき、いそいそとドリンクの交換へ行った。ライブハウスでドリンクを頼む際、私は大抵水かジンジャーエールをお願いするのだが、オウガの時だけは「ビール」と決めている。なぜって、それが気持ち良いから。

以前、オウガのライブへ行った時に「あ、この音ならきっとビールが美味しいはず!」と私の中の小人達が騒ぎ出し、キノコの周りでビール乞いダンスを始めたため、私は手に持っていたドリンクチケットをビールと交換したのだった。ビール片手にオウガの音を聞いて踊ってみたら本当に気持ち良くて、それ以来「オウガの時はビールを頼む」のマイルールが出来た。ウソだと思うならほれ、試してみたらよろしい。

まあ、そんな訳でビールを飲みながら本を読んでいたのだけど、その本は美味しいスープがたくさん出てくる話なもんだから想像しただけで口の中が美味しくなってきて、あれ?もしかしたら私が手に持っているのはスープなのかも?とか思えてきてグイッと飲んだらやっぱりビールでああ、ビールか、うふふ☆なんて意味もなく笑ったりしていたので、側からみたら相当気持ち悪い人だったと思う。

隣にいた2人組のお兄さんが卒論の話をしていて、若いな!キミたち若いな!と心の中で叫びつつ周りを見渡したらみんなみんな若かった。そりゃ、そうか。誰かが吸っていたタバコの煙が天井へ上がっていく様をしばし眺めていたらオウガの演奏が始まった。耳から聴こえる音と、足元からぞわぞわと体に入ってくる音を感じながらの「見えないルール」はいつも車で聴いてる音とは少し違って気持ち良い。おお、そうそう、これがライブの良さだよなぁと体を揺らしながら思った。出戸くんの声と重い音がだんだん私は侵食していくようで、それでも心地良くて、なんとも言えない気分だった。相変わらず痺れるロングロープを聴いた時、天井からぶら下がっているミラーボールはゆったりと回り、不思議な惑星のように見えた。

「ふぅ…」オウガを見終えて息を吐いた。ドリンクを求める人の群れ、人の声、それらを感じながらまた本を読んだ。ふと右前にいた女性も本を読んでいることに気づき、なんだか友達になれそうだと勝手に思った。

そして、あら恋が始まった。スクリーンに「Fly」のPVが映し出され、それとともにまだ姿を見せぬあら恋の演奏が始まる。このPV、赤ちゃんとお母さんが出てくるのだけど、寝かしつけた赤ちゃんの横でウトウト眠ってしまったお母さんがふと目を覚まし、赤ちゃんに毛布をくいっとかけ直してあげるところとかわかりすぎて、なんだか泣きそうになった。空に上がっていく風船は希望だよ、きっと。その後、スクリーンがなくなり、メンバーが姿を見せて煽り出す。おおっ、あはは。気持ち良い音に乗り、体も勝手に揺れていく。鍵盤ハーモニカってあんなにカッコ良かったっけ?うわ、テルミン!とか思いつつ、顔が緩んで笑顔な自分がいる。飛べそう!と思ったくらい体が軽く感じた。楽しかった。めちゃくちゃ楽しかった。アンコール、ダブダブしたところからの「ラセン」がカッコよくてなんだかもう言葉が見つからない。

 

余韻を心と体に感じながら、早足でUP SETを飛び出し、駅へ向かう。

そう。ここからまた「Fly」飛ばなきゃ。

明日へ向かう一歩。

それは気分と身体と空気と周りの力と色んなごちゃごちゃが集まって何とか踏み出せる一歩。

良いこともあるけれど、それ以上に悲しくて嫌になって泣き言言って間抜けで情けない私だなと思うけど、いいよ、これで。

だから、ムダな話、しようか。また。