Twitterを眺めていたら、とても懐かしい絵本の表紙が目に飛び込んできた。それは幼いときに好きだった絵本の1つ「むるとめるのぼうけん」だった。
「むるとめるのぼうけん」のあらすじは福音館書店のサイトに書かれている。
兄さんのむるは作りたがり屋。妹のめるは行きたがり屋。こびとの兄妹は、ひなた山のてっぺんから、葉っぱのそりですべりおり、花畑で遊びました。次は花の車と葉っぱの帆をつけたヨットを作りましたが、風が強くて吹き飛ばされ、川の中へまっさかさま。そこでこんどは、ガマの穂でいかだを作って川をくだっていきます。ものを作る楽しみと、遠くへいく冒険にみちた絵本です。
こびとのきょうだいである「むる」と「める」のぼうけんは憧れだった。葉っぱのそりで坂を滑り、オレンジのいかだぐるまに乗った後、そのままオレンジのベッドでお昼寝をする。ガマの穂のいかだで川下り、最後はたまごのからと鳥の羽のヘリコプターに乗る。子どもであった私が普段目にするような植物などを使い、モノを作って遊ぶさまに何度「一緒にぼうけんをしたい!」と思っただろう。
ガマの穂を見たことがなかった私はガマの穂見たさに「川へ連れていってー。ガマの穂がみたい!」とねだったが、なかなか叶わず植物図鑑を眺めてはいつかガマの穂でイカダを作ってやる!と思っていたのだった。実際、あとから実物をみたらガマの穂はイカダにできるようなものではないとわかった。あれは「むる」と「める」がこびとだからできることなんだな。自分がこびとでないことを悔やんだ。それぐらい乗りたかったのだ!
そんな思い出の絵本を久しぶりに目にし、思わずTwitterで呟いた。すると、その絵本のことをツイートしていた古本屋さんが通販も可能ですよとお声がけ下さった。「むるとめるのぼうけん」は絶版となっているため、私はすぐに欲しい!と連絡をした。古本屋さんは次の日に定価を調べ、本の状態写真まで下さった。とても丁寧に対応して下さったことが嬉しくてあらためて購入したい旨を伝えた。
私の手元に届いた「むるとめるのぼうけん」を読んでみた。子どもの頃とはまた違った印象だったけれど、やっぱりわくわくする絵本だった。さらに今回、小さなやりとりから始まり、私の手元にこの本がやってきたことが新たに紐づけられる記憶となった。
岐阜県恵那市にある「庭文庫」さん、どうもありがとうございました。
大切にしますね。
ある本が、それを必要とする人の手に渡るよろこび、感じています。えこさん、ありがとうございます。庭文庫の本、BASEショップにアップしていないものでも、お声がけいただければ郵送でお売りいたします。なにかあれば、みなさん、お声がけください。 https://t.co/cNJpVOhYCB
— 庭文庫 (@niwabunko) 2019年9月13日