バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

伊勢河崎一箱古本市 2019

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10月27日、伊勢河崎一箱古本市が行われた。

前回までは友人が出店しているところに自分の箱を少し置かせてもらって販売していたのだが、今回は個人として出店することにした。私の性格上、何の知識もなく出店するのは難しかったと思うので手伝わせてくれた友人にはとても感謝している。

 

さて、「個人で出店しよう!」と決めたは良いものの、屋号をまったく考えていなかった。周りの人に冗談交じりに相談し、子ども達の意見も聞いた。最終的には「古書 夕寝」に決めた。

「夕寝」という言葉が何を意味するかは字を見ればわかるし、使っている人も多いと思うのだが、おそらく夕寝は造語だろう。私が「夕寝」という言葉を覚えたのは子どもが赤ちゃんの頃だったと思う。黄昏泣きを覚えたのと同時くらいに「あらあら、こんな夕方に眠ってしまって困るわよね」という意味で夕寝という言葉を使っている人々を目にするようになった。

「あらあら、こんな夕方に眠ってしまって困るわよね」

「でも、空が赤みがかったこの時間に眠る背徳感がなんとも言えないわよね」

「そうそう、夜が眠れなくなるってわかっていてもね」

 

夕寝の背徳感とそれでもやめられない気持ちよさ。

そういった雰囲気のお店にしたいと思った。

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私のブログを読んで下さっている方ならご存じだと思うが、私は絵本が好きだ。今回、出店するにあたって絵本を並べることだけは決めていた。絵本以外のものも少し並べたが、ほとんどが家にある絵本、私が読んでもらえたら良いなと思う定番の絵本で構成した。

こないだのブログでも触れた「大きな木」の訳違いのものを並べてみた。こちらの気持ちを汲んでくれたのが、説明をしていないにも関わらず訳が違うことに気づいた女性が同時にページをめくって見比べていた。その様子を見ていたご婦人が「あら、私はこの本を持っているけれど表紙が少し違うものもあるのね」と声をかけて下さったので、訳が違う旨をお話ししたら「それならもう一つの方を読んでみたいわ」と興味を持ってくれた。最終的には見比べて読んでくれていた女性が2冊とも購入してくれた。「大きな木」に関わらず、訳が違うと話の雰囲気ががらりと変わる。その面白さを少しだけ伝えられた気がした。

お孫さんと一緒に訪れた女性はお孫さんに絵本を買ってあげると話していた。私は絵本を並べるときにできるだけ幅の広い層に届けられるように考えた。例えば、何歳の女の子だったらこのあたりかな?と想定して並べていたので「どの絵本が4歳のこの子が理解できるかしら?可愛らしいのがいいんだけど」というご要望にもすぐに反応することが出来た。女性がその本を手にすると女の子は「これもほしい」とうんこしりとりを手にしていた。子どもだったら食いつくであろう絵本だ。女性は苦い顔をしながらも両方購入してくれた。

私がお店から離れているときに来た男性が品ぞろえを褒めて下さったとこども達が教えてくれた。

「あのね、この本とかこの本を指して、良い品ぞろえですねって言ってくれてたよ」

男性が指をさしたのは「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」「アンジュール」「だるまちゃん」「どろんこハリー」などであったことがわかったので、きっと絵本をよくご存じの人なのだろうと思った。嬉しかった。

今回「アンジュール」は置いたのはなんとなく男性に読んでもらえたらなという思いがあったのだが、その通りに40代くらいの男性が購入してくれたので嬉しかった。

他にもベビーカーを押したご夫婦が「ぞうのボタン」を、面白い話が好きだという女性が「おさるとぼうしうり」を手に取って下さった。杖をついた女性は「三びきのこぶた」を見て懐かしい、絵本は良いわねと笑って下さった。

届けたい人に届けられることは喜びでしかなかった。

 
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他の方のお店も見て回った。

どのお店もその人らしさ、カラーが出ていて楽しかった。

きっと届けたい人に届くだろう。


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 本を見ながら川沿いを歩く。

それだけで気持ちが良い。

大きく息を吸って吐く。

川沿いで演奏されている音楽に耳を澄ませた。


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楽しくて嬉しい。

そういった感情が溢れていたのは事実だけれど、私は小心者なのでずっと緊張もしていた。そのため、販売しているあいだに飲み物はたくさん飲んだけれどお腹がまったく空かず、気づいたらほとんど食べていなかった。

私のお腹を満たしていたのはいったい何だったのだろう。

緊張感だけだったのだろうか。

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蔵の並ぶ町並みで楽しいイベントに参加出来て良かった。こないだSUUMOタウンに寄稿させて頂いたので企画者である皇學館大學の岡野先生と古本屋ぽらんさんにご挨拶をした。岡野先生に名刺を頂き、ぽらんさんに「色んな人から読んだって言われましたよ」と伺うことができた。

恥ずかしくて嬉しい。

目立つことがあまり好きじゃないので、私が出来ることは限られるだろうけど楽しいひとときを多くの人に知ってもらいたいと願っている。

  

 

 

伊勢河崎一箱古本市で忘れてはいけないのが支えてくれている学生さん達である。荷物を出店ブースまで運んでくれ、お店を離れる時は代わりに店番までしてくれる。

笑顔の絶えない学生さん達を見るのも楽しみのひとつかも知れない。

私がもう手に入れることのできないきらきらが眩しい。

 

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伊勢河崎一箱古本市は私にたくさんの感情を与えてくれた。

 

また、出店したい。

この気持ちがすべてだと思う。