家庭や子どもの話になったとき、時折、昔の出来事を口にする。
「なぜ、こんなことをされたのだろう」
晴れぬ疑問がわたしの口から空気を伝い、音にする。
私のことばを私の耳で聞いているうちにさらに疑問が増し、感情的になりそうだったため、目を閉じ、すぅと息を吸って唇を閉じた。
話を聞いてくれた相手は首を傾げる。
「本当にそんな人もいるのね」
と。
その言葉はおそらく慰めであるのだけど、私はそこで心が痛める。もしかしたら、感情的になってしまい、現実以上の表現をしてしまっているのではないかと。
過剰な言葉、必要以上の言葉は意志疎通を妨げる。頭ではわかっていても、暴走する一瞬があり、感じとると存在を消したくなる。
いつまでたってもちっぽけな私を、自分で受け止めて優しくする練習。
他人よりも私を優先しても良いことを自分に言い聞かせる練習。
反復練習。
内から輝けるように。
私から一筋の光を放てるようになったとき、また、あなたとともに鳥を追いかけられるだろう。