バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

奥二重

産まれたとき、私に与えられたのは奥二重の瞼だった。

奥二重はややクールな印象を与えるようで、幼少期の頃は「かわいい」よりも「きれい」と言われることが多く、居心地が悪かった。「かわいい」に憧れたこともあった。けれど、なぜか二重にしたいと思ったことはなかった。私は私の奥二重の瞼と目がとても気に入っていた。

奥二重で生活をしている中で、時折、二重になることがあった。それは風邪を引いたり、体調を崩した時だった。調べてみると、体調不良、自律神経の乱れ、疲労などによって二重になることがあるらしい。

二重になったら、体が悲鳴をあげている証拠。私を大事にしなくてはいけない。長年、そうやって二重と付き合ってきた。

それが数年前、突然、左目が二重になった。右目は奥二重のままなのに、左目だけ二重になったため、バランスが悪くて気に入らなかった。また、体調が悪いのだろう、数日したら奥二重に戻るだろう、と思いながら生活をしていたが、1ヶ月が経ち、1年が経過しても左目は二重のままだった。もはや加齢に伴うものではないだろうかと考え、わたしは二重の左目を受け入れることにした。アイラインを引くとき、マスカラをつけるときに気を配り、なんとかバランスを保ったりした。あとはもう、気にしない、気にしないと念じていたが、写真の私を見て憂いることもあった。

数日前、朝、化粧をしようと鏡を見たら、左目が奥二重になっていた。あまりに突然の出来事に眠気が吹っ飛び、さらに顔を鏡に近づけた。やはり左目は奥二重になっていた。

左目が二重になっていたのはおそらく5年間くらいではないかと思う。

もしかして、左目が奥二重に戻ったということは、この5年ほど、私のからだはずっと何かを訴えていたのではないだろうか。

だとしたら、からだは何を言いたかったのだろう。

自分自身のことなのに、よくわからなかった。

だが、両目が奥二重になった私は前より気分が良い。

くりくり二重のお目目も良いけれど、私には奥二重が似合っていると思う。

それがとても私らしくて好きだ。

 

 


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