バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

MPAD2025 「料理をたのしむ 演劇をたのしむ 秋のおたのしみ」

2025年11月12日から22日にMPAD2025が開催された。

MPADは三重県内の素敵なお店や場所で料理を味わい、選りすぐった俳優や劇団・ユニットによる文学・古典作品のリーディング公演を楽しむイベントだ。

私は全6回のうち、今年は4回参加したのでこちらに記録しておく。

 

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11月12日(水)

村上龍『55歳からのハローライフ「結婚相談所」』

演出・出演 高川裕也

会場 radi cafe apartment(四日市市)

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MPAD2025初日は、毎度おなじみのradi cafeからスタートだった。私は一人参加のため、毎回相席となる。今回は演劇が好きな方と話が弾んだ。また、今回リーディングをされる高川裕也さんの妹さんがいらっしゃったので高川さんのお話をお伺いしたり楽しい時間を過ごした。

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サーモンのバジルソース。バジルの香りにサーモンが合う。細かく刻まれたピクルスの酸味やまろやかなマッシュポテトとともにサーモンを味わうこともできる。見た目も美しい一皿。

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野菜のキッシュ、パテドカンパーニュ、若鶏の胸肉のハム。

別添えのパンとともにいただく。

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低温熟成さくらポークのロースト。

これぞ肉!って感じ。ソースも美味しいのだが、ピンクペッパーのアクセントがいい。

ポークの下にあるペンネも美味しかった。

この他にドリンクがあったので、私は珈琲を選んだ。

 

食事の後は店舗2階でリーディング公演。

高川裕也さんは「カンブリア宮殿」のナレーションを担当されているため、今回朗読するにあたり、村上龍さんに直接承諾を得たとのこと。高川さんの渋く、聞き取りやすい声で読まれていく「結婚相談所」はとても面白かった。途中、「キモッ!」と声をあげたくなる箇所もあるのだが、それをふまえても面白かった。

高川さんのリーディングをまた聞いてみたいと思った。

 

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11月14日(金)

太宰治『駆込み訴え』

演出・出演 林 英世

会場 喫茶tayu-tau(津市)

 

昨年もお伺いした喫茶tayu-tauは古民家カフェで雰囲気が抜群に良い。席に着くと前に座っていた方が昨年も相席だった方だった。お互いの行動範囲がまったく違う誰かと1年に1回だけお会いするのも面白い。

 

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サーモンのコンフィ。

サーモンが驚くほど柔らかく、家庭では調理できない味だった。彩りも美しい。

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洋食プレート(ハンバーグ・コロッケ・エビのロースト)

大人のお子様ランチ的なプレート。どれも良い意味で主張しすぎない優しい味わい。私が好きなえのき茸のから揚げもあって何から食べようか迷ってしまった。

 

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焼き菓子と珈琲。ドライフルーツがふんだんに入っており贅沢。

こういうのを食べると私もお菓子を作りたくなっちゃう。

 

食事を終えてから林英世さんによるリーディング。「駆込み訴え」は別の方がMPADで朗読された過去があるようだが、私は初めてだった。ライトに照らされ、陰影を伴う中で林さんの鬼気迫るリーディングに息をのんだ。オチを知っていても面白いのが駆込み訴え。また違う人のリーディングも聞いてみたくなった。

 

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11月20日(木)

太安万侶 編『耳で楽しむ古事記~その5 天孫降臨

現代語訳 橘 雪子

出演 田中 遊・広田ゆうみ

会場 中津軒(津市)

 

私が中津軒を訪れたのは2016年のMPADで仙台エクスチェンジプログラムによる太宰治「ダス・ゲマイネ」を観て以来、9年ぶり。実に感慨深かった。

食事の前に橘雪子さんの本を購入し、サインを頂いた。笑顔が素敵な話しやすい方だった。

相席になったのは、某ウェブサイトの編集長と某劇団の主宰という、なんでこの席に私が?状態だったが、非常に実のある話を伺うことが出来てとても楽しかった。演ずるもの、観るもの、記録するもの、それぞれが別の視点を持っていることの面白さ。また、同世代なのもあり、妙に親近感があり、若干悪ノリしてしまったくらい話が弾んだ。

 

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MPAD特別プレート。

エビフライ、ハンバーグなどボリュームたっぷりの一皿。古き良き洋食屋の趣でおなかがいっぱいになった。

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デザートのケーキ。みっちりしていて珈琲との相性が良い。美味しかったー。

 

2階にあがって古事記のリーディング公演。5年に渡る全5回の古事記の最終回。原文と現代語訳を交互にリーディングするスタイルで難しい敬遠しがちだった古事記が近しいものになった気がした。読み方、小道具の使い方、息遣いなど、飽きずにみられる工夫もあり、非常に面白かった。

今回は事前に古事記テストが配られており、料理を楽しみながら解いた。満点の方がいらっしゃってすごい。私はこれから学びます……。

 

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11月21日(金)

山田風太郎『さようなら』

演出 石井幸一

出演 中谷あざみ、櫻内華恵、鈴木正孝、爲近敦夫

会場 塔世山 四天王寺(津市)

 

MPAD2025最終日は庭の景色が美しい四天王寺だった。この会場は人気でチケットを取るのに毎年苦労する。

 

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キッチンワークペコリーノさんのお弁当。

ブロッコリー胡麻和え、ひじきの中華サラダ、野菜のオムレツ、ハンバーグデミグラスソース、紫キャベツのマリネ、サーモンの西京焼き、レンコンの落とし揚げ、人参きんぴら、カボチャのサラダ、照り焼きチキン、イカフライタルタルソース、ナスの揚げ浸し。

この他に、鶏そぼろと炒り卵の2色ごはんとデザートのプリン付。

盛りだくさんで何から食べようかいつも迷ってしまう。お弁当でも濃い味付けではなく、やさしい味わいのためとても人気。本当に美味しい。いくつかは自分でも作ってみたいと思った。

 

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食事後は綺麗な庭でのリーディングを楽しむ。鎌ヶ谷アルトギルドは初めてだったが、女性2名、男性2名計4名のリーディングがいずれも素晴らしく、ひどく惹きつけられた。闇の中でライトアップされる風情もあり、今年のMPADで一番好みだった。山田風太郎の描いた悪夢が浮いては消えていった。

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MPAD、今年もありがとうございました。

日常から少し離れた潤いある時間は毎年の楽しみになっております。

運営の方々、各お店様のご苦労に頭が下がる思いです。四天王寺でうとうとされている方も見かけましたし、カメラマンさんは肩が痛いとおっしゃられていました笑

運営の方とも顔なじみとなり、名を告げずともチケットを渡される私ですが、今後も楽しみにしておりますので無理のない範囲で楽しませて頂けましたら嬉しいです。

 

また、毎回別所書店さんが関連本の販売をされているのですが、今回は「MPAD2025の、本のお品書き」という名のフリーペーパーを配布されていました。

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リーディングの作品だけでなく、関連書籍についてわかりやすくまとめて下さり、今後本を手に取る機会がさらに増えそうです。

お忙しい中、私たちを楽しませるための工夫をありがとうございました。

 

今から来年が楽しみー!!