忙しさのあまり、空気の色が変わっていくことに気がつけずにいた。香り、音、手ざわり、すべてが変化していくことに鈍感だった。夜が長くなり、風が気持ち良さそうに流れている。ただ、そこに立って目を瞑るだけで時間の経過を感じる。
五感が鈍くなるのは忙しすぎる証拠。
ほどほどにね、わたし。
「趣味を仕事に」とか「やりたいことをやろう」とか、その方が楽しそうだし、生きる糧になりそうだし、心が豊かにもなりそうとか思うけれど、目の前に養う者がいる場合は生活を維持するために仕事をすることが最優先になってしまう。彼らが未来を悲観しない程度の生活を維持し、できるだけ平穏な日々を過ごすことが私の目的であり「生きている」に繋がっている。贅沢ができるわけではないけれど、衣食住が保てていることだけで良しとする。頼る者がいないこの地では、頑張りすぎて壊れても不安になるだけだから。
母がシャインマスカットを送ってくれたのでシャインマスカットのチーズケーキを作った。このシャインマスカットは子どもの頃に私を可愛がってくれた牧師夫婦が下さったものだ。ふと、私のことも思い出し、「えこちゃんにあげてね」と、多めにシャインマスカットを送ってくれたのだった。
シャインマスカットのチーズケーキは見た目が華やかだが、作り方はいたってシンプルで難しくないため、2回も作ってしまった。甘味のあるシャインマスカットと爽やかな酸味のチーズケーキがとても良く合っていて、めちゃくちゃ美味しい。
子ども以外の誰かに食べてもらいたい欲がむくむく育つので、食べたいひとは申し出てもらいたい。
最近作ったもの。
ミートソースパスタ。ミートソースと言いながら、ミートよりも玉ねぎやきのこの方が多かったりする。
サーモン漬け丼。
サーモンが半額に下がったタイミングでGETし、漬けにしてごはんにのせた。サーモンは脂がのっているので、ごはんが隠れるくらいに並べるよりこれくらいがウチではちょうどいい。酢飯にして、大葉散らしてサーモン乗っけて、おっと、胡麻を振ることを忘れちゃいけない。胡麻があるのとないのでは、雲泥の差だ。
今年も岩出菌学研究所さんよりオオイチョウタケをお送り頂いたのでオオイチョウタケの炊き込みごはんを作った。
これを食べると、秋!!なのよ。
他のきのこにはない香りが美味しさを際立たせる。
野菜の天ぷらを時々、抹茶塩でいただく。
塩に抹茶を混ぜて、天ぷらをちょちょっとつけるのだけど、なんでこんなに美味しいの!抹茶のほろ苦さとめちゃくちゃ合う。最初に考えついたひとに拍手を送りたい。ぱちぱち。
最近読んだ本。
小原晩『これが生活なのかしらん』
小原さんの等身大の生活が書かれていて、時に痛み、時にのびやかに日々を過ごしている様子が清々しかった。僕のマリさんのエッセイを読んだときにも感じたが、私が20代であった頃に今のように自分の日常を発信したり、ZINEを作るハードルが低かったらどんな感じだっただろうと思う。おそらく私はその日々を感じ、綴り、もっと広く生きられたのではないだろうか。
とはいえ、過ぎた日々をあれこれ思っても虚しさが残るので、私が唯一変えることのできる未来へ、一直線に走り抜けようではないか。まだまだこれから。
秋から冬がいちばん好き。
街の色も洋服の肌触りも人のやさしさもぜんぶぜんぶ包んで懐にしまいこむ。
七尾旅人 "ドンセイグッバイ" (Official Music Video) - YouTube