バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

プールサイドにて

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 昨日、小学校のプールの監視をした。

 

照りつける日差しの中、子ども達が自転車で汗をかきながらやってくる。ヘルメットをかぶって暑いだろうなぁと思いながら、差し出されたプールカードの印鑑を確認する。

子ども達は慣れたように足早で更衣室へ移動して行った。

私はプールサイドへ移動し、ベンチに腰掛けた。

プールの水がキラキラと太陽を反射していた。すぅっとした風に揺られて小さな波がたくさん揺らめいていた。気持ちよさそうに。

 

しばらくすると、ざわざわと子ども達が更衣室から出てきて、シャワーを浴び始めた。

 指導員の指示の中、ラジオ体操を始める。そしてプールの中へ。

私はプールの角へ移動した。私が立った場所の前にはプールの給水管があり、ジャバジャバと白い泡を出しながら水が注がれていた。

水で体を慣らした子ども達。「は~い。好きに遊んで良いですよ」と指導員に言われるとわーっと水をかき始めた。

2,3人のグループになって水をかけあったり、潜ったり。

赤い水泳帽をかぶった女の子は泳ぎが得意なようで、こちらに向かって平泳ぎで泳いできた。そして折り返し、バタフライで泳いでいった。

男の子3人グループが給水管のところへやってきて、「うひゃ!つめたい」と騒いでいた。給水管から出てくる冷たい水を求めて、他にも何組かやってきた。

いずれも、一度潜り、白い泡の中に包まれていく。しばらく潜ったのち、プワッと顔を上げ、息を吸う。

そんな時、「ちゃんと浮き上がってくるよね?」とじっと覗き込んでいた私と目が合うのだ。ニカッと白い歯を輝かせながら笑い、また泳いで行った男の子。毎日来てるのかな?男の子の背中はほどよくこんがりと日焼けしていた。

 

平日の午後。

プールで賑わう子ども達の頭上を低空飛行の鳥がパタパタと優雅に飛んでいた。

子ども達は水遊びに夢中で誰も気づかない。プールサイドの隙間から生えた雑草がそよそよと風に吹かれ揺らいでいた。

遠くに見える国道ではトラックが忙しく行きかい、ココとは時間の流れが違うようであった。

 

しばらくして、指導員が私の横まで歩いてきて床にあった蓋を開け、その中に長い工具入れると、グルグル回し始めた。先ほどまで給水管からジャバジャバと出ていた水が次第に弱くなり、チャポンと水を水面に落として止まった。

止水栓を閉めたんだとその時にわかった。

 

「みんな、あと5分で終わりだよー」

 

指導員が拡声器を使って呼びかける。

残り時間を有効に使おうと子ども達はまた水を掛け合いはしゃぎだす。

水しぶきが宙を舞ってあちらこちらへ跳ねる。キラキラ光って眩しい。

 

「もう、終わりですー。プールから上がって下さい」

 

子ども達がプールサイドへ上がってきた。それからシャワーをし、更衣室へと消えて行った。

入口で待っていると着替えを終えた子ども達が次々とやってきた。順番にプールカードを返していく。女の子はゆったりとしたワンピースの子が多かった。着替えがしやすいのであろう。

 「あれ?そのシャツ、前と後ろ逆じゃない?」

Tシャツと短パンを身に着けた3年生くらいの女の子が一緒に監視をしていた保護者に話しかけられていた。

「あぁ・・いや~ん♡」

と言った女の子が可愛くてみんなで笑った。

その女の子、よく見たら短パンも前後ろ逆で、「もうそのまま帰ってもわかんないから、帰っちゃえ帰っちゃえ!」とみんなでアドバイス?をした。

 

 さて、私も帰ろうかなと校舎横まで歩いて行くと、自転車で帰ろうとしていた5年生くらいの女の子が転んでいた。

「大丈夫?ケガはなかった?」

女の子が自分のひじを眺めたので、目線を移すと擦りむいたらしく血がうっすらと滲んでいた。

「だ、大丈夫です」少しは痛みがあるであろうにそう言った女の子は、倒れた自転車を起こそうと膝を曲げて屈んだので、私は代わりに自転車を起こしてあげた。

「ありがとうございます」

自転車に跨り、ヘルメットを締めなおした女の子は、ゆっくりとペダルを漕いで行った。

「気をつけて帰ってねー」

 

その時、アブラゼミがジリジリ鳴いていることに気づいたんだ。

 

そんな夏の日。