バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

2019年に私が購入した絵本です☆

あと数日で今年も終わりですね。

元号が変わった歴史的な年でしたが、皆さん楽しく過ごされましたでしょうか?私は一言では語れないほど多くの出来事がありました。楽しいことも辛いこともありました。私が辛くて苦しいときに助けてくれたものの1つに「絵本」がありました。絵本を読んでいるあいだは絵本の世界にどっぷり浸かるので他のことは考えなくてすみました。

今年もたくさんの素晴らしい絵本に出会いました。

「今年購入した絵本」をまとめるのは今年で6年目です。毎年書いておりますが、これは「今年発売した絵本で私が購入した絵本」に限っています。もっと多くの絵本を読んでおりますが、購入したものとなるとだいぶ私好みのラインナップになっていますので、その辺はご理解下さい。

 


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あまがえるのかくれんぼ』(世界文化社)  

あまがえるのかくれんぼ (世界文化社のワンダー絵本)

あまがえるのかくれんぼ (世界文化社のワンダー絵本)

 

読み終えたとき「なんて美しく朗らかな世界なのか」と思いました。ストーリーは、周りの色に合わせて体の色を変化するカエル達の話なのですが、単純でありながらも視点を変えると多くのことを感じられます。アマガエル達は自分達の体の色が変わることを知りません。人間のように親と暮らすわけではないので、カエルとして生きていくにあたり、ほとんどのことが「知らない」ことです。カエルに感情があるのかは私にはわかりませんが、もしも感情があるとすれば、突然の体の変化に不安になることでしょう。その不安をともだちと共有し、たくましくのびのびと生きていくさまをこの絵本の世界で、見ることができます。ストーリーも去ることながら、かわしまはるこさんの繊細で可愛らしい絵がにひきこまれます。草原の濃淡や草に隠れている虫の姿、ツユクサなどの花の色の美しさには自然が作り出す造形の素晴らしさを感じずにはいられませんでした。

 

 

『丘のうえの いっぽんの木に』(童心社)

丘のうえの いっぽんの木に (絵本・こどものひろば)

丘のうえの いっぽんの木に (絵本・こどものひろば)

 

 写真家であり切り絵作家でもある今森光彦さんが描くモノクロの世界に惹きこまれます。自然の美しさや生物の躍動感を輪郭だけで表現できるのは、モノの本質が見えているからではないかと思いました。里山にある「エノキ」の木を中心とした生き物の姿から生命を感じ、明日も頑張ろうかなと思えました。 

 

 

『ねことねこ』(こぐま社)  

ねことねこ

ねことねこ

  • 作者:町田 尚子
  • 出版社/メーカー: こぐま社
  • 発売日: 2019/09/24
  • メディア: 大型本
 

ねこの絵本と言えば町田尚子さん!と言っても良いくらい町田尚子さんが描くねこはリアルで可愛らしいです。おはなしは2匹のねこの違いを探していく単純なものでありながら飽きずに読み進められるのは、ねこの表情やしぐさが丁寧に描かれているためだと思いました。

みんな違うけれど可愛いね。ねこが好きな方におすすめです。

 

 

『なまえのないねこ』(小峰書店

なまえのないねこ

なまえのないねこ

 

商店街で 暮らす「なまえのないねこ」は他のねこに名前があるのが羨ましかったのです。自分の名前を探しながら、商店街に住むねこ達の名前を確認して歩いて行きます。出会うねこ達の名前が、住んでいる場所やそのねこらしさが出ている名前ばかりで、つけた人の愛情を感じられました。

最終的にねこが欲していたのは名前だけではなくて…。

ラストに納得しましたし、私もそれを望んでいるのかもしれないと思いました。

寂しさを和らげてくれる温かい絵本です。

 

 

『ねこがさかなをすきになったわけ』(みらいパブリッシング) 

ねこがさかなをすきになったわけ

ねこがさかなをすきになったわけ

  • 作者:ひだのかな代
  • 出版社/メーカー: みらいパブリッシング
  • 発売日: 2019/08/23
  • メディア: 単行本
 

 2004年に新風舎から出版された本作が復刊しました。

ねことさかなの友情を独特のタッチで描いており、とても印象に残りました。ねこがおどって、さかながうたう「げんきをだーせーよー♪」の場面には私も元気をもらいました。

最近、ねこの絵本がたくさん出版されていますが、こちらのねこも個性があって可愛らしいと思います。

 

 

ヒキガエルがいく』(岩波書店

ヒキガエルがいく

ヒキガエルがいく

 

表紙のヒキガエルの表情にやられて購入した絵本です。手にして読み進めると、たくさんのヒキガエルが行進していて驚きました。「トン!」「ドドンドドン」太鼓のリズムに合わせて力強く進む姿がとてもユニークです。

けれど、この絵本はそれだけではなく私に多くのことを考える機会を与えてくれました。今年、好んで韓国文学を読んでいたのですが、その中でセウォル号事件以降の文学について知りました。この絵本もそこに位置付けられると思います。

詳しくは以前にブログで触れておりますのでこちらをお読みください。

bambi-eco1020.hatenablog.com 

 たいへんなことがあっても、また起きあがり、てくてく歩きだせますように。

 喪失からの回復は容易ではないけれど、前を進んで歩きたいと思えました。

 

 

『パン ふわふわ』(講談社

パン ふわふわ (講談社の幼児えほん)

パン ふわふわ (講談社の幼児えほん)

 

彦坂木版工房の木版画で描かれたパンの絵本です。

パンのふわふわ感やキメの細かさによって木版画をする際の水の量を変えていると、もりとさんにお会いしたときに教えて頂きました。厚紙の本なので、赤ちゃんがかじっても破れなくて丈夫です。ふわふわしたパンをゆっくりめくりながら楽しんでください。

 作品集「旬」も良かったです。↓

bambi-eco1020.hatenablog.com

 

 

『やさいばたけカーレース』(白泉社

やさいばたけカーレース (コドモエのえほん)

やさいばたけカーレース (コドモエのえほん)

 

雑誌「kodomoe」の付録についていたときから大好きだったやさいばたけカーレースが単行本になったので即購入しました。出てくるキャラクターがユニークではらはらのレース展開にグッと惹きこまれます。それだけではなくてレースを繰り広げる「やさいばたけ」の野菜が緻密に描かれており、野菜の根っこのはり方まで知ることができます。端から端までどこを眺めても面白いので読むたびに発見があります。結末がわかっていてもついついどこかのチームを応援したくなる楽しさ。

カーレースを応援している子達も可愛くてにやにやしながら読みました。

 

 

『おべんとういっしゅうかん』(学研プラス)』 

おべんとういっしゅうかん

おべんとういっしゅうかん

  • 作者:出口 かずみ
  • 出版社/メーカー: 学研プラス
  • 発売日: 2019/09/19
  • メディア: 単行本
 

お弁当箱の形をした絵本です。出口かずみさんの絵はたまごやきもトマトも「きょとん」としたような表情がかわいくてついついニヤリとしてしまいます。

火曜日はなにかな?木曜日はなにかな?とページをめくるのが楽しかったです。

出てくるこびとがまたかわいくて!

厚紙でできた本なので、子どもが少々乱暴に扱っても大丈夫です。

食べまねをしながら親子で楽しく読みたい絵本です。

 

 

『たいこ』(福音館書店)  

たいこ (幼児絵本シリーズ)

たいこ (幼児絵本シリーズ)

 

 本屋さんで並んでいるのを見て「わ!クネクネさんがいる!」と声を出していました。私が大好きな絵『今日はマラカスのひ』のクネクネさんがひたすらたいこを叩いている絵本です。クネクネさんが楽しそうにたいこを叩くのをみて、「いれてー」と色んな人がやってきます。ちょっとトラブルもあったけれど、みんなで遊ぶのは楽しいね。

トンポコペタボンガオーゴン

文章の8割以上がオノマトペなので読み方次第で楽しみ方が広がると思います。 

きょうはマラカスのひ (日本傑作絵本シリーズ)

きょうはマラカスのひ (日本傑作絵本シリーズ)

 

 

 

『みなとまちから』『とおいまちのこと』(佼成出版社

みなとまちから

みなとまちから

 

 

とおいまちのこと

とおいまちのこと

 

 『みなとまちから』は作がnakabanさんで絵が植田真さん、『とおいまちのこと』は作が植田真さんで絵がnakabanさんという今までにないような対になった2冊の絵本です。作と絵が異なっている(入れ替わっている)にも関わらず全体の世界観が変わらないのは2人の絵本作家の間柄にもあるのかもしれないと思いました。

『みなとまち』からで出された手紙が『とおいまちのこと』で受け取られるので、2冊を一緒に読むことをおすすめします。大きな出来事が起きることもない、静かな世界が待っています。

 

 

『はるとあき』(小学館)  

はるとあき

はるとあき

 

「はる」は「なつ」や「ふゆ」に会えても「あき」に会うことができません。「はる」は「あき」に手紙を書いてみることにしました。「はる」は春の柔らかな風景を、「あき」は秋の色とりどりの景色をそれぞれ手紙で伝え合います。相手が見せてくれる自分が見たことのない景色にお互いが相手を思いやります。

この絵本の良さを私はうまく伝えられる気がしません。けれど、一度読み終えたとき、目に涙が浮かんでいました。噛みしめるようにもう一度読みました。心の奥の方がほんのり温かくなりました。

ずっと大事にしたい絵本です。

斉藤倫さんの本で言えば、ことし発売された『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』も良かったです。 

 少年である「きみ」と大人の「ぼく」のやりとりが不思議で面白く「ことば」について考えました。紹介されている20篇の詩とともに誰かに何かを伝えたい気持ちになりました。

 

 

『ねえさんといもうと』(あすなろ書房

ねえさんといもうと

ねえさんといもうと

 

『ねえさんといもうと』は福音館書店からも出版されていましたが、今年、酒井駒子さんのイラストであすなろ書房から出版されました。面倒見の良い、なんでもできるお姉さんがいる妹はあるとき、ひとりになりたくなります。お姉さんの気持ちと妹の気持ちがどちらも痛いほど伝わってきて胸がきゅっとなります。お互い思いあう姉妹になんだかじんわりしてしまいます。

私は子どもの頃に読んだ「あさえとちいさいいもうと」も大好きで、きっとこういう姉妹に憧れているんだと思います。

あさえとちいさいいもうと (こどものとも傑作集)

あさえとちいさいいもうと (こどものとも傑作集)

 

 

 

『しあわせの島へ』(徳間書店)  

しあわせの島へ (児童書)

しあわせの島へ (児童書)

 

 「しあわせってなんだろう」一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

この絵本は女の子がしあわせになれる場所を探して、ひとりで海を旅していくお話です。いくつもの島にたくさんの人が住んでいました。「ここがしあわせの島だよ」皆はそう言います。確かに読んでいるとどの島も魅力のある島に感じます。でも、ある人にとっての「しあわせ」と女の子が求める「しあわせ」は必ずしも一致しません。人の感情は千差万別であるという当たり前のことを感じました。私が居心地がよく幸せであっても、誰かにとっては居心地の悪い場である可能性もあるわけです。

女の子が最終的に行き着いた島が、このお話のすべてだと思いました。

 

 

『くろはおうさま』(サウザンブックス社)  

くろは おうさま

くろは おうさま

  • 作者:メネナ・コティン
  • 出版社/メーカー: サウザンブックス社
  • 発売日: 2019/11/16
  • メディア: 単行本
 

 真っ黒な紙に銀色の文字と触るとわかる盛りっとした立体的な絵が美しい、点字で書かれた絵本です。

目が見えないトマスが感じている色の世界に心を掴まれてしまいました。確かに実際の色は見たことがないかもしれないけれど、言葉や表現から得られる想像力から見えるものがあるのです。視覚や触覚など私たちが持っている五感を生かしながら、読んでほしい絵本です。

とても美しいので開いて見てほしいです。

 

 

『の』(福音館書店)  

の (福音館の単行本)

の (福音館の単行本)

 

  『の』でつながっていく不思議で美しい世界。

世界一周ではなく、時間や空想の世界を進んでいくような感覚で読み進めました。丁寧に描かれた絵がどれも美しく、どこかに必ずお気に入りが見つかるのではないでしょうか。読み終えたあとの何とも言えない感情が心地良かったです。

ページを開いて飾っておきたくなる素敵な絵本です。

 

 

『おおきなおおきな木みたいに』(ひさかたチャイルド) 

おおきなおおきな木みたいに

おおきなおおきな木みたいに

 

 絵本の真ん中に穴があいているしかけを利用し「思いやり」や「わがまま」を表現した絵本です。お友達と仲が悪くなるとギザギザの穴に亀裂が入り、思いやりをもつと木が成長します。目に見えない心をわかりやすく可視化しており、お互いが思う気持ちを学べるのではないかと思います。

この絵本は娘が気に入り、学校へ持っていったところ、担任がクラスの道徳の授業で使ってくれたようです。

心ではなく、言葉を表現したおーなり由子さんの「ことばのかたち」も好きな絵本なので合わせて読んでもらいたいです。 

ことばのかたち

ことばのかたち

 

 

 

『しろとくろ』(講談社

しろとくろ (講談社の創作絵本)

しろとくろ (講談社の創作絵本)

 

 きくちちきさんが大好きです。こちらの絵本もきくちちきさんというだけで、手に取りましたがやはり期待を裏切りませんでした。

ねこの「しろ」といぬの「くろ」のおはなしは、「しろ」の「なんでなんで」という質問で進んでいきます。読んでいたら私の感情があちらやこちらに揺れて揺れてたいへんでした。でも、それは切なさの先にあるあたたかい場所でした。

きくちちきさん独特の自由で躍動感ある絵と色遣いが素敵です。

心がほっとするような絵本です。

 

 

 『セミ』(河出書房新社

セミ

セミ

 

 いやぁ、とんでもない絵本だと思いました(良い意味で)。

セミ 高い ビルで はたらく。しごと データ 入力。17ねんかん。けっきん なし。 ミス なし。 トゥク トゥク トゥク!

こんな文章で始まります。仕事を真面目に頑張ってきているセミが、私達の社会でも起こっているような理不尽な目に遭いまくります。ちょっとやそっとじゃないです。心が折れるくらいです。読んでいるときは「セミ、かわいそう。ひどい」しか思いませんでした。ただ、最後にセミが新たな世界へ羽ばたくとき、自分が向き合っている仕事の在り方が正しいのかわからなくなりました。社会風刺ががんがんに入っている絵本です。仕事人間になっているなって思う人ほど読んだほうが良いと思います!

トゥク トゥク トゥク!

 

 

『ゆめみるどうぶつたち』(岩波書店

ゆめみるどうぶつたち

ゆめみるどうぶつたち

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2019/09/14
  • メディア: 大型本
 

 イザベール・シムレールの描く美しい世界。ザトウクジラ、コウモリ、クモ、ライオンなどたくさんのいきものがすやすや眠っています。どんな夢を見ているのか想像をかきたてられる鮮やかなオレンジ色に息を止めて見入ってしまいました。どうぶつたちの毛のふさふさ感が出ていて絵本なのに思わず撫でていました。

世界の美しさを感じながら、私も眠りにつきたいと思う絵本でした。

 

 

 

『あの日からの或る日の絵とことば』 (創元社

 こちらは絵本ではないのですが、どうしてもご紹介したくてここに入れさせて頂きました。

32人の絵本作家が絵と文章で表現する3.11あの日のこと。

あの日、あの時期、みんなはどうしていたんだろう。何を考えていたんだろう、そして、どんな時にあの日々の事を思い出すんだろう。

今日や明日が当たり前に続いていくと思っていた日常が崩れたあの日。読んでいくと皆それぞれの思いの中で生きていたことが伝わってきます。あの日があるから今日があること、日常が実はかけがえのないものであることを今一度考える機会を与えてくれました。

他の誰かが抱えているものを、気持ちを、共有する事はきっと出来ない。それでも、みんなあの日から同じ地続きの日々を生きている。何かを乗り越えたりせず、ただただ抱えて生きていく。

編者である筒井さんの思いとその思いに答えた絵本作家さんの物語は、あの日のことだけではなく迷ったり躓いた時に私を支えてくれる気がしました。 

 

***

並べてみると多いような少ないようななんとも言えない気持ちになりますね。

来年また素敵な絵本との出会いを期待したいと思います!

今年よりたくさん読めたらいいなー!

 

 

 

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