6月になりました。
少しずつ梅雨入りしていく日本列島。
雨は好きですか?
私は雨の音やにおいが好きなんですけど、洗濯物がスッキリと乾かなかったり、どこかカビくさかったり、湿気でジメジメしていると、ちょっぴり気分が落ち込みます。
そんな時は「雨の日が楽しくなる絵本」を読んでみませんか?
かさ、ながぐつ、てるてるぼうず、かえる…など、私が好きな雨に関する絵本を集めてみました。50年読み継がれている絵本、最近の絵本、いろいろ読んで気に入ったものがみつかると嬉しいです。
では、どうぞ♪
『カエルのおでかけ』
そとは どしゃぶりの いいてんき!さあ、おでかけをしましょう♪
カエルは雨が大好きですから、カエルにとっての「いいてんき!」はどしゃぶりの雨の日。傘をささずに全身びしょぬれで自転車に乗ったり、できたてサクサクのカツバーガーをでろでろのぐちょぐちょにして食べたりします。
さすがにカツバーガーのでろでろはイヤだなぁと思ったんですけど、カエルは平気そうに食べていて、なんだか笑えてきます。晴れ間が見えてきたら、カエルは傘をさします。その傘、カエル仕様の特別な傘なんです。
雨を楽しそうに過ごすカエルをユーモラスに描いているとっても楽しい絵本です。高畠さんの絵は何とも言えない面白さがあるんです!
『かさ』
文字のない絵本です。
墨一色で描かれた絵の中で、女の子の「あかいかさ」のみが色づいており、目を惹き付けられます。
「あかいかさ」をさした女の子は何処へ向かうのでしょう。
ページをめくる度にあかいかさの行方を目で追いかけ、女の子がお父さんのおむかえへ行くことを知ります。おそらく夕方の時間帯。文字がないことで雑音が感じられず、また、女の子が「おむかえ」という任務を果たす責任感も伝わってくるようです。
初版は1975年。40年前の風景は今でも色あせないのです。(車の絵には時代がでますけどね)
『かさ』
乳児向けの絵本です。
「かささしてかえろう」
様々なかさの色、リズミカルな文章が好きで、こども達が1歳くらいの頃に何度も読みました。言葉のテンポが本当に良くて、読んでいる私が楽しくなるような素敵な絵本なんです。こども達もかさをさすのが楽しくなったようで、小雨ぐらいでしたらかさをさして散歩へ行ったりもしました。
雨の日には、雨の日なりの楽しみ方があると気づかせてくれますよ。
『おじさんのかさ』
おじさんは、とってもりっぱな傘をもっていました。でかけるときはいつも傘をもって出かけましたが、雨が降っても傘をさしませんでした。なぜって、傘が濡れるからです。
ある日おじさんが公園で休んでいると、雨が降ってきました。ちいさな男の子が雨宿りに来て、友達の小さな女の子の傘に入り、二人で歌を歌いながら帰ります。
「あめがふったら ポンポロロン あめがふったら ピッチャンチャン」
おじさんもつられて歌いだしてしまいます…。
おじさんが傘を大事にしていることがとっても伝わってきます。私にも大事にしすぎて使えないモノがありますが、使ってみた喜びや発見も素敵なことだと気づかされます。
こどもと一緒に雨の中で「ポンポロロン♪」と歌ってみて下さいね。
『ぽっつん とととは あめの おと』
雨が嫌いで「つまんない」ばかり言っているあーちゃん。
「つまらないならうちへいらっしゃい」
窓の外でかえるさんがあーちゃんを誘います。
ぽっつん ととと。あーちゃんはぬいぐるみ達と一緒にかえるさんの家へ向かいます…。
優しくて可愛らしい絵に惹かれて読んだのですが、お話も含めて想像以上に可愛かったです。傘をさしたぬいぐるみもカエルさんの家でのパーティー風景も隅々まで眺め回してしまいました。
あめのひに「ぽっつん ととと」と唱えれば私もかえるさんに会えるかしら?想像してまたにこにこ笑いました。
『あまがさ』
モモは三つの誕生日にあかいながぐつとあまがさをもらいました。嬉しくて早く使ってみたいのに、なかなか雨が降ってくれません。いくにちもいくにちも経ったある日。とうとう雨が降ったのです…。
ながぐつとあまがさを身につけたモモの弾んだ気持ちと、あまがさにあたる雨の音色が印象的です。
ぽん ぽろ ぽん ぽろ……
絵が怖い感じなので、パラパラと眺めただけで止めてしまう方もいらっしゃるかも知れません。ですが、この絵本はとっても素敵なお話なので最後まで読んでほしいのです。
私が忘れてしまった記憶の中にも素敵なことがあったのではないか?
そんなことを考えてしまいます。
『あめふりうります』
ぐうたら猫のねこきちが主人公。
「ねこが かおをあらうと あめが ふる」なんて言い伝えがありますが、ねこきちは顔を洗うのさえ面倒。ねこきちが顔を洗わないので、ずいぶん長い間、雨がふっておりません。
そんな時、たぬきち達が「もしも あめが かねで買えるなら、おら、いくら だしても いいぐらいだ」と話している会話を聞いたのです。
これは商売になる!と思ったねこきち。掲げた看板にはこう書いてありました。
『あめふりうります』
ことわざ、慣用句、落語を意識された本のようで、随所にある面白おかしい表現にニヤッとし、オチまであることにウヘヘとなります。野村たかあきさんの木版画も味わい深く素敵です。言葉や表現遊びに興味のある方にぜひ勧めたい絵本です。
『たいふうがくる』
きょうはきんようび。あしたはかぞくでうみにいくんだ。それなのに、たいふうがくるらしいのだ…。
男の子の落胆と緊張。心の変化が墨一色で描かれた世界から驚くほど伝わってきます。白の使い方が上手なのかしら?
ほとんどのページは男の子目線、またはそれ以下のローアングルなので、それが一層ドキドキ感を煽ってきます。
で、一ヶ所のみ使われた「青」に完全にやられちゃいます。
じわじわと残る余韻。清々しい気分で終われるよく考えられた作品だと思います。
『マルマくん かえるになる』
おたまじゃくしの「おっぽ」が残ったマルマくんは、そのおかげで上手く泳ぐことが出来ません。そんなマルマくんにガマ先生は泳ぎの特別授業をしてくれるのです。
ガマ先生は泳げない理由から実技まで、きちんと優しく泳ぎを教えてくれます。成長はそれぞれの子によって違うこと、また大人がどっしりと構えて見守ることが伝わり、温かい気持ちに包まれます。
この絵本の銅版画の美しさはぜひ見てほしいです。
あまりにも美しいので思わず顔を近づけてじっくり眺めてしまいました。
雨と直接関係はありませんが、カエルが鳴いている季節ですので、ぜひ読んでみて下さい。
『えっちゃんの ながぐつ』
えっちゃんは雨が大好き。だってね、だいすきな「にこにこうさぎ」の長靴がはけるから。それなのにある日、にこにこうさぎが「どんぐりめだま」のうさぎになってしまったのです……。どんぐめだまになってしまい、悲しくなったえっちゃんですが、その理由がわかるとまた雨が楽しくなりました。
知らない男の子との出会いはこどもの頃の気持ちを思い出させてくれます。私も夏休みに市民プールで出会った子が2学期からの転校生だったことがありました。ふとしたことがきっかけで、距離が縮まる素直なこども時代。
私が幼稚園に通っていた頃、大好きだった懐かしい絵本です。
『あっぱれ!てるてる王子』
雨に降って欲しくない時、たくさんのてるてる坊主をつるしたことはありませんか?
てるてるぼうず てるぼうず あした てんきにしておくれ♪
てるてる王子は雲の上でジュース飲んだり、旅行に行ったり楽しく暮らしています。けれど、必ず守らなければいけない仕事があるんです。それは「てるてる坊主が100個あったら、あしたぜったい晴れにしないといけない」ということ。明日はくつろぎたかったのに、どうやら『たいふうでんか』が近づいて来ているようですよ…。
たいふうでんかを追い払いたいてるてる王子陣営。このやり取りがものすごく面白いです。てるてる坊主にお願いをしまくっていた私ですが、空の上ではこんな攻防が繰り広げられていたのかも知れませんね。ひたすら笑える楽しいお話。
雨のあと、晴れた空を見上げながら、てるてる王子にお礼を言いたくなっちゃいます。
『ちいさなきいろいかさ』
なっちゃんの持っているきいろいかさは不思議なかさ。かさの中に動物達を入れてあげると、みんなが入れるように大きくなるのです。
次々と動物がかさに入るのが楽しくて、こどもの頃、擦り切れるまで読みました。お話自体はシンプルですが、にしまきかやこさんのふんわりとした絵が気に入ってたのかも知れません。キリンをかさに入れてあげるところが大好きでした。
雨に関係した絵本で、私が真っ先に思いついた絵本です。
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いかがでしたでしょうか。
雨で気が重くなりがちですけど、少しでも気分が晴れれば良いなって思っています。
残念ながらお気入りが見つけられなかった方は、まだまだ雨に関する絵本はたくさんありますのでぜひ探してみて下さいね☆