三重に住んで10年くらいになる。
さすがに方言にもだいぶ慣れ、相手が言っていることがわからず、困るようなことはなくなった。
だが、ときどき、こどもの言葉を聞いてついつい笑ってしまうことがある。言葉が面白いというよりは、自分がこどもの頃に使っていた言葉と違うことからくる違和感での面白さがそこにはある。
私は日常、少しの三重弁は使うものの「他の場所から引っ越しされた方ですか?言葉が違うので」と言われることがあるレベルの話し方をする。それに比べ、こども達はというと、私と話すときは軽い三重弁であるが、友達と話すときはばりばりの三重弁を話すのである。
相手によって使い分ける。
もはや2か国語ならぬ、2か県語を操っているのだ。
今日のできごとであるが、娘の「お母さん、知ってる?」から始まる話を聞いて笑った。
こどもなら大抵、一度は口にしたことがあるであろう「先生に告げ口するときの歌」を覚えているであろうか?
埼玉に住んでいた私はこのような歌であった。
「いーけないんだ、いけないんだー、せーんせいに言っちゃーおー」
なんとなく思い出していただけたであろうか。埼玉はほぼ標準語なので、これが基本形に近いのではないかと思う。
これを娘はこのように歌っていたのだ。
「あーかんのに、あーかんのにー、せーんせいに言ったるぞー」
わおっ!全然違うやんけ!
私はテンションが上がり、思わず笑ってしまった。
なんだか可愛いやないの!って思ったのだ。
そもそも三重県に引っ越してきたとき、こどもが方言を使っているのをみて「可愛い♡」と思ったことを思い出した。
この辺りでは「あかん!」はよく使われる言葉なので、このような歌になるのは自然なことであろう。「いけない」とか「だめ」って言葉を使うお母さん、そういえばあまり見かけない気がする。
この「先生に告げ口するときの歌」は全国でいろんなバージョンがあるらしい。
あとでゆっくり調べてみようと思った。