今日の月は電柱に隠れそうなくらいひっそりとそこにいた。
コンビニやドラッグストア、スーパーなどで買い物をするとき、できるだけにこやかに店員さんの言葉に反応するようにしている。
レジの対応も人それぞれだけれど、スーパーのおばさま達は挨拶から入ってきたりするので、同じように挨拶を返してみたり、金額を伝えてくれた後は、ハキハキとした感じでお金を渡してみたり。会計を終えたら店員さんが「ありがとうございます」と言ってくれる前にこちらが「ありがとう」と言ってみたり。
ただそれだけなんだけど、最初は暗い感じだった店員さんが私の会計を終えたときに笑ってくれたりしてそれがなんだかちょっとだけ嬉しいのだ。
「食事を終えたら、ごちそうさまって声をかけていくんだよ」
私にそう教えてくれたのは誰だっただろうか。
おかげで食堂でも喫茶店でも会計をすませると「ごちそうさまでした」っていうクセがついてしまった。
今日はセルフのガソリンスタンドに寄ったら、液晶パネルの更新する時間だったようで、再起動をするために5分弱待たされた。
「起動するまで寒いんで車の中で待っていて下さいね、声をかけますから」
ガソリンスタンドの店員さんが申し訳なさそうに私に言った。
「そうですか。待つのは嫌いじゃないんで気にしないで下さい」
そう伝えて車の外で伸びをしたら、空にひっそりと月がいるのが見えた。
ぽっかりあいた時間は嫌いじゃない。
国道を走る車を眺めていたら、私の頬を北風が撫でていった。
ぶるっと身震いしたあと、私はマフラーに顔をうずめながら再び空を見上げたんだ。
※なので、写真はガソリンスタンドから見えた電柱と月です。
ソーシキ博士のアニメーションとタイコの音楽が
ほどよい空虚感を醸し出しているMV。
眠くなりそうでいいの。