先日、講演会に参加したあと、そのまま家に帰るのがなんとなくもったいない気がして、「ちょっと寄れるところあるかな」と思いを巡らせた。
「あ、行ったことがないパン屋へ行ってみよう!」
早速、カーナビで検索。津市上浜にあるパン工房『ブロワ』へ。
住宅地の一角にある、落ち着いた雰囲気のパン屋さんは足を踏み入れると、小麦粉の良い香りがした。棚に並べられた籠の中には色とりどりのパンが並んでおり、どれもとても美味しそうだった。どれにしようか悩むという、うれしい悲鳴をぎゃーぎゃー心の中で叫びつつ、にやけた顔でパンをトングで挟んでいく。選んだパンをレジに持っていき、お会計を済ませてながら「どれも美味しそうで楽しくなっちゃいました!!」と伝える変な客になる私。心の声がとうとう外に出てきてしまった。
嬉しいこと、楽しいことはできるだけ言葉で伝えるようにしている。昔からそうだったわけではないのだが、一箱古本の出店や栞製作、ブログを書いたりする中で、喜びの声できるだけ届けたいと考えるようになった。
「あなたが生み出してくれたもので私のこころは豊かになりました」
誰も痛みを伴うことのない、柔らかい空間が生み出せる魔法のことば。
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gallery0369で開催されていた郭小明写真展「黒錆」BLACK RUSTへ行った。私が訪れたときにちょうど数名の方が帰られたので、私は1人で優雅に写真を観ることができた。広くはない空間に横一列に配置された白黒の写真たち。視線を大きく上下に動かさずに、横に動かしていくと、1つのストーリーが生み出されるようでとても面白かった。
ちょうど、gallery0369のオーナーである松原豊さんがいらっしゃったので、写真の配置や並べ方に関する質問を絡めた話をさせて頂いた。1つの空間の流れを作るのは作品だけではなく、配置やストーリーも含まれる。自身の写真ではなく、他のアーティストの写真を並べるときの方が難しく、また、時には写真を撮る知識と技術が邪魔になることもある。「写真は見る方が好きだ」と松原さんにお話ししたら、そういう人にたくさん来てもらいたいと仰っていた。見たい人、写真展に足を運ぶと良いですよ。話をする中で、今度やってもらいたい企画が生まれたので、いつか実現することを楽しみにしていようと思う。そのときは参加するのもいいな。
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最近読んだ本。
ク・ビョンモ『破果』
年末に購入し、積んでいた本。
めちゃくちゃ面白かった!!
殺し屋のおばあちゃんの話なのだが、緊迫した場面と老いを感じる場面のバランスが絶妙。「老い」が外見的なものだけでなく、心的な部分にも姿を見せていて素晴らしい。
おすすめ。
最近、購入した本。
数年前から打越正行さんや上間陽子さんの本を読んでいて、沖縄に暮らす人々にとても関心を持つようになった。そんな私が「沖縄の生活史」なんてタイトルの本が出たと知れば、買わずにいられるわけがない。お高いのでずっと持っていた商品券を使ってやったんだ!どうだ!
鈍器本なので少しずつ読み進めたいと思う。
日々の生活は山あり谷ありだけど、本があればまだまだ明日に希望が持てる。