バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

20240309 老いも若きも

平日が多忙のためゆっくり眠っていたかったが、毎年確保している劇VIPの発売が今日だったので慌てて起きる。無事に劇VIPを手に入れたのち、息子に駅まで送ってほしいと頼まれたので車に乗せて駅まで送っていった。せっかく早い時間に外へ出たので、そのまま久しく訪れていなかったパン屋さん、sido boulangerieへ行ってみることにした。四日市にあるsidoはビゴの店で修業をした店主が営んでおり、ハードパンが多く、私がすきなパン屋さんのひとつだ。いつも混んでいるイメージがあるが、今回もやはり駐車場がいっぱいだった。店内へ足を踏み入れると小麦の香りと忙しく動く店員の姿があった。


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私が一番好きなパンはグリーンオリーブがごろごろ入っているオリビエなのだが残念ながらこの日はなかった。それでも目移りするほど美味しそうなパンが並んでおり、選んでいる間にも新しいパンが続々と焼きあがってかごに並べられていった。いくつかのパンをトレーに取り、レジに持っていく。レジ打ちの店員がものすごい速さでボタンを押していく。私がお勘定を払おうとしたとき、新しくやってきたお客さんがドアを開け入ろうとしたが、どうやら入場制限を設けているらしく外で待っているよう店員に促 されていた。購入したパンを袋につめ、外へ出るとドアの横に列が伸びていた。

パンを購入したあと、すぐ横にあるこどもの本屋「 メリーゴーランド」へ行った。新刊の棚から順に眺める。 最終的に手にしたのは昨年、岩波書店から記念復刊された『 ぞうさんレレブム』『ふわふわくんとアルフレッド』と、平置きされていたブルーノ・ムナーリ『遠くから見たら島だった』の計3冊だった。『遠くから見たら島だった』はブルーノ・ ムナーリが観察した石のエッセイで、写真もあり興味をひかれた。また、訳者が関口英子であったことも手に取るきっかけになった。関口英子は新潮クレストブックスでイタリア語の訳者としてよく目 にする名だった。レジでお会計をしていると、良い本ばかり選ばれますねと店員に話しかけられた。

一旦帰宅後、老いのプレーパークによる「老人ハイスクール」「 いざゆかん」を観劇するため、すぐに三重県文化会館へ車を走らせた。


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文化会館小ホール入口ではすでに劇VIP会員の受付が始まって おり、慌てて受付へカードを差し出した。いつもありがとうございますの声をかけてもらい、文化会館の松浦さんに今年度の劇VIPを購入した旨を伝えた。 ロビーには顔見知りの方が何人かいた。ホール入場後、一番後ろの席に座った。ひとりで観劇することがほとんどなのだが、今回は隣に知人が座って下さったので演劇界隈の話をした。 後ろを振り向けば、顔見知りの写真家やエグゼクティブディレクターが仕事をしていた 。

老いのプレーパークは老いを楽しむプロジェクトで高齢の方を中心に幅広い年齢層の方々が老いを楽しみ、演じられている。主宰の菅原さんが作る脚本は良い意味でシニアをシニアとして扱っておらず、何でもやりたい放題だ。この舞台を観てしまうと年齢という指標は何の役に立つのだろうと思ってしまう。老いも若きも夢があり、生きていく楽しみがあり、人間であることに変わりはない。根底に尊厳が感じられながらも、ずっと笑ってみていられる最高の舞台に最後は勝手に涙が流れていた。生きているあいだはずっと「ごっこ遊び」でありたいと思う。演じている役者だけではなく観客をも巻き込む舞台はともに生きている感じがしていつも魅了される。観劇後、ロビーで元気よく手を振っていらっしゃった老いのプレーパークの 方々がきらきらしていて眩しかった。

 


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