格安SIMのことなど全くわからない私が「みおふぉん」を使用することなった。
今までインターネットにつなぐ時はIIJmioのSIMカードを挿したスマホ、電話とメールをする時は電話がかけ放題のWILLCOMと2台持ちをしていた。それさえもよくわからぬまま「そうすると安い」と言った夫に習い「へいへい~」となんとなく使いこなしていた。
だが、つい先日、テーブルの上に新しいスマホが2台置かれ、「みおふぉんにします」との指令が下った。1台は私、もう1台は息子の分である。
みおふぉん?イマイチよくわからぬが、まあ夫のことだから「安い」のであろう。
取りあえず電話ができることを確認。次にメールを確認したところ、これにはキャリアメールがないのでフリーメールを使用しなければいけないことがわかった。「Gmailでいいか」とアドレス変更のメールを数人の友達に送ったらほとんど届かなかった。おそらく相手がフリーメールを受け取らない設定にしているのであろう。何だかいちいち面倒になって「電話はつながるからいいや」と投げてしまった。とんだダメっぷりである。
一度、ムクッと起き上がり、頑なに拒んでいたLINEはどうだろう?とインストールしてみた。そんで息子とお試しやりとりをしてみた。うむ。近しい人だけならこれも致し方ないかな~と考え友達に聞いたidを検索してみた。したらば、私は白ロムなので年齢認証が出来ないからid検索が使えないことが判明した。そしてまた面倒になって放り投げた。2日ぶり2度目。
とりあえず電話はつながるからいいか。
すべてはそこで止まっている。
私の電話番号を知っていて私に用がある方は電話を下さい。
申し訳ないので出来るだけ美声で出るよう心がけます。
学校の配信メールなどはすべて登録出来たので差し当たり問題はない。そもそもそんなにマメな方ではないのでこのままでも困らないかも知れないと思った。
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発売したばかりのMONKEYを購入した。
まだほとんど読んでいないが、最初にコレを読んだ。
小沢健二『赤い山から銀貨が出てくる』
その中で、小沢健二が「ゼロ年代に携帯を持たなかった時期があり、その時に携帯を持たない者は異次元生活者のように扱われると知った」との記述があった。皆が携帯を持っている世の中では、数年前まで行われていた「待ち合わせは場所と日時をしっかり確認」が省かれるようになった。ほんの少し別行動をとる際も「15分後に噴水の前で」なんて確認はいらない。「今、どこ?」という電話をすればすんでしまう。
時代は移り変わり、物理的に便利になった。だが、そのぶん心理的に窮屈になったことも多々ある。
ちょうどそんなことをソントンさんがブログに書いていた。
Du Hast Den Farbfilm Vergessen | OFZK
「あんたは不便じゃないかもしれないけれど、周りが不便なのよ」
ここまでハッキリではないけれど、似たようなことは言われたことがある。そこで「そこまで言うなら…」と動いたこともあるけれど結果的に良かった試しがあまりない。だから心理的に窮屈になるくらいなら物理的に不便な方を私は選んでしまうのだ。
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と、まあ、色々考えたわけだが、小沢健二の文章はこのようなコトとはちょいと違うので読んでみると良いかも知れない。美しい音色のヨーロッパ楽器の裏にはこんなことが関係しているのかもというお話。「音楽の聞こえる話」がテーマなので他の方の文章を読むのも楽しみだ。
それから話は変わるが、先に書いたように夫が息子の分のスマホを用意してくれた。
そのスマホを見て息子と私は一瞬固まってしまった。
だってね……
なんかのボタン押す度にレベルが上がったり、宿屋に泊まった音がする。取説は冒険書のようだった。ゲーマーでもない夫がコレを選んだのが何だか面白かった。
息子はそれなりに楽しんでいるようなので良いのだけれど、窮屈にならぬ程度に使ってもらいたいと願っている。