バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

五月。

f:id:bambi_eco1020:20180501175915j:plain

田んぼに水が入った。

この時期の田んぼはまだ稲も植えたばかりのため、稲の存在感より揺れる水面が気になってしかたない。

とてもきれいなのだ。水面に映った空が。

景色がゆらゆらゆれる。

私も一緒にゆらゆらゆれる。

・・・

二十代前半の頃、大きな挫折を経験していないことを人に相談したことがある。二十歳にもなればどこか生きづらさを感じ「挫折」という言葉で表される体験をした人は周りにたくさんいた。なのに、私は何も考えずただのんびりとその歳になってしまっていたので、自分がひどく薄っぺらい人間に感じていたのだ。「つらい」「くるしい」ともらす人に気の利いた言葉もかけられないし、相手が「どうせあんたに言ったってわからないでしょ」と思いながら話しているような気もした。それに加え、今後自分が「挫折」を体験した時に耐えられるのだろうかという不安が胸いっぱいに広がって、いつもどこかで怯えていた。

「大きな挫折をしたことがない。今後、何かがあった時に耐えられるか不安だ」

人に相談するには軽い問題すぎて最初は躊躇ってしまったが、それでも私の不安を聞いて欲しいと言葉にした。

「それはもしかしたら自分でなんとなくやり過ごすことができてしまっていただけで、今までも挫折と言えるようなことはあったのかも知れないよ。だから今後も乗り越えられるよ」

友人はそう言ってくれた。そうなのかな、今まであったのかな、振り返ってみたけれどよくわからなかった。

ただひとつわかったことは、友人は私の言葉を笑うでもなく受け止めてくれ、優しい言葉を選んでくれる人だということだった。

数か月前も少々重いけれど、私が思っていることを伝えたら「大変だと思うけれど、えこが選んだのなら私もそれで良いと思うよ」と言ってくれた。私が選ぶ道が正しいのかどうかはわからないけれど、友人は私を信じていてくれる。それだけで十分だと思った。

 

年々、生きるのは楽しいけれど苦しいことだと感じる。

華やかさだけで形作った世界は嘘っぱちだと思う。 

 

 

Homecomings - Songbirds(Official Music Video)