バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

20190706 ~ニッキ

黒い雲がかかったように心が晴れなかったのでひたすら歩いた。知らない道をどんどん進んだ。地図なんて見るもんか。行きすぎたと思ったら次の角を曲がって元の場所に戻るだけだ。昔から気持ちが晴れない時にはひたすら歩いた。トウキョウはとにかく好きな道を歩き続ければ良かった。好きなところで曲がっていいし、戻っても良かった。ずっと歩いていると大抵、地下鉄の駅がひょっこり現れたからだ。使ったことがない地下鉄の駅から知らなかった空気に纏われながら家に帰った。今はそれができない。地下鉄などココにはないのだから。

横断歩道を渡ろうとしたら、青信号が点滅したところだった。私は足を止め、渡ることを諦めた。

「急げー、渡るよ!」

私の後ろから小走りに走ってきた男女はそのまま走って横断歩道を渡っていった。なんだかひどく置いていかれた気分になった。私が横断歩道を渡る頃には彼らの小さな背中しか見えなかった。

 

一歩がどんどん小さくなっていることに気づきながら私は知らないふりを続けた。