秋めいた空気を感じたと思っていたのに、ここ数日の暑さはなんだろう。秋なのか、夏なのか。そのあいだに季節が存在するのか。わからぬまま、額から流れる汗を手で拭った。
空がニセモノみたいだった。真っ青な空とカリフラワーを大きくしたような雲の色が鮮やかすぎて笑っちゃうくらいニセモノに見えた。私が過ごしている毎日もニセモノであればいいと時々思う。じわじわと侵食してくるような不安を何処かへ押しやりたい。
ただ、私はずっとニセモノではいたくない。
ホンモノにする力を今は溜め込んでいるのだと思っている。
1度使ってしまったから、ホンモノが溜まるのに少し時間がかかっているだけ。
どんどん器に溜めて溜めて表面張力をも押し退けて溢れ出すホンモノを私は想像できる。
深呼吸をして、毎日を生きて、ホンモノを溜めていこうと思う。
大丈夫、できるから。
いつも声をかけてくれるのは私自身に他ならない。