何日か書くことをサボっていたらどこから書いて良いのかわからなくなった。この間に一箱古本市に出店し、寺尾紗穂さんのライブへ行き、行きたかった雑貨屋poeにも行き、本の会にも参加した。
こたつを出して暖かさを感じ、私が2週間前に購入したゴジュウカラの置物に息子が今頃気づいて笑った。
「この鳥、いつからいた?」
「え?前に部屋に入ってきちゃった鳥の剥製だよ」
顔色を変えずに鳥の剥製と言った娘が面白かった。私も「そうそう!」と乗っかってみたけれど、それだけで部屋の空気がオレンジ色になった。
日が暮れるのが早くなり、カーテンを閉める時間も早くなった。
外との隔たりを思ったら途端に寂しくなった。
広げた手に見えない宝石を乗せる。
目を瞑り、ぎゅっと握りしめる。
ひとつ。またひとつ。
手から落としてしまった何かは忘れてしまおう。
今、ぎゅっと握りしめているモノを落とさないように大事にしよう。
***
石井睦美さんの『愛しいひとにさよならを言う』を読んだ。
いまでもチチのことを考える。
授業が始まる直前の教室のざわめきが途切れる一瞬や、授業が終わって帰る電車のなかで、わたしはチチを思い出す。
冒頭で語られるチチについてはずんずん読み進めてもなかなか出てこなくて心配になってしまったけれど、チチのインパクトが強いためなんだなと思った。歳の差がある女性の友情、親子の関係、出会いも別れも存分に味わえる切なくて心がきゅっとするお話だった。私は好き。それだけははっきりと言える。
表紙が酒井駒子さんのイラストだという理由だけで手に取ったけれど良いものを読んだ。
まだ積んでる本もあるし、本の会で興味を持った本もある。
長くなる夜への準備はできている。
心も体も少しずつ元気を取り戻しながら、また新しい出会いに期待しようと思った。