休日に名古屋へ行った。
天気の良い日で、噴水が光に照らされシャンデリアみたいだった。
名古屋市美術館で開催されている福田美蘭『美術って、なに?』へ。いつも聴いているアトロクで宇多丸さんが福田美蘭について話していたので、どうしても観たくなったのだ。福田美蘭はとても刺激的だった。美術だけにおさまらない視点の持ち方は、日々の暮らしを豊かにするのではないかと思った。時々、疲れてきたり心が弱くなってるときほど視野が狭まり、自ら追い込んでしまうことがあるのではないかと考える。他人に優しくするためには、少しばかり心の余裕が必要であり、その余裕こそが多面的に物事を見せてくれるのではないだろうか。自分の限界を知り、水が溢れる手前で止める術を身につけることが、生きる上で必要なのだろう。
公園を歩きながら、そんなことを考えていた。
隣を歩いていたふたりは「なんだか日比谷公園みたいだね」と話していた。きょろきょろしてまったく進まない男の子をお父さんが振り返ったまま、ただ、待っていた。
公園をあとにして、町中を歩いた。
名古屋には何度も来ているが、いつも目的地のみに行くだけでなかなかゆっくり歩くことがない。歩を進めると、昔行ったことのある喫茶店があった。鉄板ナポリタンが辛めで当時、息子がひぃひぃ言いながら食べたことを思い出した。人の気配と雑踏のにおいを嗅ぎながらどんどん歩いて行くと、ドン・キホーテを含む複合施設が見えてきた。その景色になんだか覚えがあった。私の記憶を辿っていったとき、ある映像が浮かんだ。2013年に開催されたあいちトリエンナーレに子どもを連れて行ったのだが、あのときの元ボーリング場があった場所だと気がついたのだ。あのボーリング場は取り壊され、今は立派な建物になっているにも関わらず、すぐにそこだとわかった。川の位置、通りの景色、雰囲気がすべて私が覚えているそれだった。すぐにスマホで位置を確認し、間違いないことを確信した。息子に伝えたが、ピンときていないようだった。当時の私は名古屋をほとんど歩いたことがなく、迷いながら歩いていたために位置関係がハッキリしなかったが、今回ここにたどり着いたことで、脳内の地図が完全に補完された。ああ、面白い。
新しくできた建物に足を踏み入れ、そこでご飯を食べた。カタコトの日本語を話す店員さんが終わってしまったランチメニューの説明をしてくれた。
その後、名古屋駅近くで映画を観て、夜はZepp Nagoyaで電気グルーヴのライブを観た。踊って笑ってひたすら楽しかった。汗も乾かぬうちに電車へ乗り込んだ。
自分のにおいが気になったが、窓に映る私は嬉しそうだった。
***
最近作ったもの。
サンドイッチ。
真ん中は厚焼き玉子のサンドイッチ。ふっくら。
農産物直売所へ行ったので、野菜たっぷり。
大根の葉が大好きで、葉付大根が売ってるとすぐに買ってしまう。「ご自由にどうぞ」と書かれていたおからを卯の花に。卯の花は給食では人気がないらしい。食べつけない子が多いのだろう。
大根葉とちりめんのおにぎり。
梅と大葉のおにぎり。
鶏のから揚げねぎソースがけ。
ねぎソースで揚げ物がさっぱりするのでいくらでも食べられる。大好物。
はちみつチーズトースト。ブラックペッパーをがりがり挽いて食べると、安いパンも美味しくなる。
なんだかあたたかい色。