バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

かかとを鳴らそ

四日市にあるこどもの本屋、「メリーゴーランド」店長の増田さんが講師のBOOKトークナイトに参加した。増田さんが講師なので語られるのは絵本についてだったのだが、直接的に絵本について触れるのはおそらく開催時間の半分にも満たしていなかった。これが増田さんのトークの通常運転である。

では、残りの時間に何を話しているかと言えば、本屋へ来てくれたひとの話、友人達の話、最近読んだ本の話などであり、これが大変面白い。増田さんのトークを聴くのはおそらく10回目くらいだったが、私は飽きたことがない。

飽きないのは巧みな話術もあるとは思うが、増田さんの好奇心と行動力がとんでもないため、本人は何でもなく話していることでもこちらにとっては驚きの連続なのだ。荒井良二さん、あべ弘士さんなどは増田さんの友人のため、飲みに行った話から一緒に旅行へ行った話など、ここでしか聞けない話が盛りだくさん。谷川俊太郎さんの話も定番であり、今回は佐野洋子さんの絵本の紹介があったので、ふたりが離婚する前のエピソードなども飛び出し、佐野洋子さんってめっちゃかっこええ!ってとこが個人的に今回のハイライトだった。

「日常会話の中にこそ、面白いことがある」

確かそのような話をしていて、ひどく頷いた。私が聴いているPodcast番組「となりの雑談」もそんな感じだ。ジェーン・スーと桜林直子(サクちゃん)がひたすらゆるい会話をしているのだが、時々、そうだねって思える内容が入ってくる。何かの答えを出そうとしているのではなく、ひとつのワードを自分で引っかけて、内から引っ張り出させる何かを見つけ、もやっとしたものをすっきり導くって感じだと思っている。

人と関わったり、美術館へ足を運んだりすることは、それだけで刺激的な行為なのだと思う。ずっと続けていないと錆びつくし、何より私が楽しくない。いつまでも楽しいことを追い続けるひとでありたいと思う。

Netflixでドラマ『今夜はすきやきだよ』を観た。放送時に見逃していたんだと思い出し、何気なく観ていたらとんでもなく良かった。観始めたときは『きのう何食べた?』の女性バージョンみたいな感じなのかなと思ったが、同じなのは美味しい料理が出てくるところぐらいだった。蓮佛美沙子が演じる「あいこ」ちゃんと婚約者とのやり取りにハラハラし、言葉を交わし、修復していくところに心を持っていかれた。あいこちゃんはこの婚約者と出会う前、別の男性に婚約破棄をされており、色々と思い出して苦しくなったのだが、そこから幸せを掴んでいくあいこちゃんが可愛くて、なんだか眩しかった。

痛みや苦しみを経験しているひとは優しくなれるとか言うけれど、そんなこともないと思う。私も多少はハードモードな部分があるけれど、優しいかどうかは別だし、憎悪のようなものも無くはない。ただ、それだけを持ち続けても私が身を滅ぼすだけなので極力、見ないことにしているだけだ。

憎しみを原動力にするよりも、愉快なことを原動力にして生きていたい。

そのほうがなんとなく油が濁ってなさそうだし、回転が良さそうな気がするのです。

 


湯川潮音 - かかとを鳴らそ(Official Music Video) - YouTube

 

歩く音符がかわいい。