バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

2015.2.27 〜ただ、なんとなく

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肌寒い日だった。

数日前のぽかぽかとした暖かさは一体どこへ行ったのだろう。
ただ寒さのみが戻るのならまだしも、しっかりと花粉の気配残したまま冷えるのだから、困ったものだ。
 
夕暮れ。
車に乗っている時に陽が長くなったことを感じた。空を見上げると街で一番高い建物が一緒に視界に入ってきた。その建物は公共施設なのだが、なぜこんな場所にこんな建物が必要なのかと度々疑問視されるほど、この土地には不釣り合いな大きさでそびえ立っていた。その高い高い長方形の建物の上には細い鉄塔のようなものが建っており、鉄塔の先では赤いランプがチカチカと点滅していた。チカチカと点滅しているのは航空障害灯なのだが、今日はなんだかそれが炎を揺らしているろうそくのように見えたのだ。
街を見下ろすように揺らいでいるろうそくの炎。
 
そう思うと、街全体を温かく見守っているようで、妙な安心感を覚えた。
 
自分が住んでいる土地でさえ1ヶ月も経つと街並みが変わる。寂れた建物は壊され、鮮やかな色合いの看板が街を埋め尽くす。そこは夜でも眠らない。
眩しすぎる光の影で半分落ちた看板を掲げた商店の屋根には「Victor」の文字が薄く浮き出ていた。カタカタと音を立てながら回る理容室のサインポール。酒屋であったと思われる平屋の建物。
 
影があるから光がある。
光があるからこそ影もまたそこにあるのだ。
 
 
そうであるならば、私がココにいることも必然であるのかも知れない。
光の影でただひっそりと佇むように言葉を紡いでいる私がいても良いのかも知れない。