残り少ないマスクに不安を抱きながらも今日がやってきた。
4月3日。
ちょうど1年前に家を出た。荷物をまとめて子ども達を家から出したあと、庭から家を眺めた。
急がなくてはいけないと思いつつ、家に向かって深くお辞儀をした。
今日までの1年のことをすべてここに書くつもりはない。けれど、全部話せたとしたら、雑誌の読者体験記に載せられるかのような事柄がいくつもある。
荒波にもまれた感情の変化をやり過ごすことがいちばんキツかった。心を穏やかにしようと努力しても、また大波がやってきて溺れそうになる。何度も何度も繰り返して今の私がいる。何も成し遂げてはいないけれど、よく頑張ったと思う。
辛いときにSUUMOの記事を書く依頼を頂けたことは幸運だった。あのタイミングで自分を振り返る機会を得られたのだから。本の会などで人と話すことが出来たこと、一箱古本市に出店したこと、寺尾紗穂さんと時折メールのやり取りをしていること、すべてがそれ以前のわたしよりほんのちょっぴり頑張れたことだと思う。
そしてまたここから。
「頑張れた」ことを自分のモノにしていく。
そして生活を特別ではない日常にしていく。
久しぶりにミュージックステーションをみた。エレカシの宮本さんが松田聖子さんの「赤いスイートピー」を歌っていた。言葉をやさしく、手のひらに置いていくような歌いかたが素敵だった。
もっと素敵なひとになりたいな。
なんとかなるさ。
どうにかやるさ。