バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

20200726

氷が好きだ。

おそらく貧血だからだと思うのだが、氷をガリガリかじるのが好きでやめることが出来ない。冷蔵庫で自動製氷された氷の量が少なくなってくると不安になり、100円ショップで買ってきた製氷皿にも氷を作り出すほど私にとって氷はなくてはならないものだ。

氷をガリガリかじる中で、何の液体に氷を入れるかで氷の姿が異なることに気がついた。私がいちばん好きなのは、カフェオレに入れた氷である。細かいことは調べないのでわからないが、カフェオレに入れてしばらく時間が経過した氷は角が取れてまあるくなり、口に入れると舌の上をころんころん転がる。表面が滑らかでとても口当たりが良いので、私は「やさしいこおり」と呼んでいる。

お茶や炭酸水に入れた氷も好きだ。こちらは氷の密度をゆるやかにするようで、かじるとシャリシャリした食感がたまらない。ぎゅっと詰まったあの固い氷のあいだに液体が入り込んでシャリシャリにするのだろうか。シャリシャリの氷は夏にぴったりなので「さわやかなこおり」と呼んでいる。

氷好きの私はどちらの氷が食べたいかで飲み物を決めることがある。暑い今日は「さわやかなこおり」が食べたいから炭酸水にしようだとか、心がとげとげするから「やさしいこおり」になるカフェオレにしようとか、そんな具合だ。

氷をかじると、ガリガリとした音が頭まで響いてくる。何も考えたくないときは無心で氷をかじる。

ガリガリガリガリ

寿司屋の生姜じゃあるまいし……なんて思った時点で無心ではないことは明確である。きっと、無心ではなくて考えることを一時的に拒否したいがために氷をかじっているのかもしれない。

 

***

以前は一冊の本を読み終えてから次の本をよんでいたが、最近は小説とエッセイを平行して読むことが多くなった。小説をある程度読んで、疲れてきたらエッセイを読むみたいな感じなので、エッセイは1日にひとつかふたつのエピソードしか読まないことが多く、読み終えるのには日数がかかる。けれど、毎日楽しみがあるとも言える。そんなふうに読んでいた『うたうおばけ』をようやく読み終えた。毎日楽しかった。


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今日は平凡過ぎて何も面白いことがなかったと話す人がいたとする。そんなとき、きっとその人は今日がつまらないと決めつけていたり、疲れていて見えなかっただけなのではないかと私は思っている。同じ日がまたやってくることはなく、同じようでも小さな出来事は少しずつ異なるはずである。私もメンタルを保つことは得意な方ではないので、何も見えなくなることもあるけれど、「うたうおばけ」はそういった日々を見続けて書かれているような気がした。確かに著者、くどうれいんさんは変わった人や愉快な人に出会うことが多いような気はするけれど、私の周りにも同じくらい愉快な人は存在するので、それをいかに言葉にできるかなのではないかと思えた。

読んでいて楽しくなる本だった。

人と関わりたくなる本だった。

本の中に私の居場所があるような気がした。

 

うたうおばけ

うたうおばけ