毎日必死に生きている。
力を抜こうとするのだけれど、やり方がわからなくなっているようだ。とりあえず、楽しいことをしなければ!と、毎週映画を観ている。行くのは決まって朝の早い回。映画を観終えて帰っても、子どもたちと過ごす時間が持てるから。
子どもたちと特に何かをするわけではなくても、同じ空間で呼吸をしていることだけで安心することがある。
おなかを膨らませてへこませる。
素早く動く指、くしゃみをする前に歪む顔、何を観ているのか突然笑いだして、こちらが可笑しくなってくることもある。
そんなささやかな日々は脆くて薄い硝子のようだと思う。向こう側が鮮明に見えるくらい薄い膜のような硝子を、私は両手のひらでそっと包む。
先日、養育費が指定日より遅れて振り込まれていた。指定日までに振込がないだけで、心がぐらりと揺れる。怒りではなく、残念な思いがもやもやと身体中を覆うような気分になるのだ。「子どものための養育費」と「私へ向ける感情」が未だに切り離せていないのだろうかと要らぬことを推測し、うまく眠りにつくことができなかった。その後、振込みがされていて安心したのだが、そのときに自分でもバカみたいだなって思う感情がいきなり顔を出してきた。
「ああ、振込みができるのなら、あの人は元気でいるのだな」
そう思ったのだった。
自分へ悪意を持っている人の健康を気にしている自分にやや呆れてしまったが、紛れもない私の感情であるし、きっと、このままの私で良いのだと思う。
だって私はそういう人間なのだから。
桜は咲いてあっという間に散っていった。
落ちていく花びらがダンスをしているかのように優雅に舞いながらアスファルトに着地した。
ハナレグミ - 「発光帯」 Music Video - YouTube
津村記久子さんの『つまらない住宅地のすべての家』がとても良かった。
序盤は登場人物が多く、住宅地図と照らし合わせながら、読んでいたけれど、途中からぐいぐいのめり込んでしまった。
ささやかな関わりとやさしさから気持ちがほぐれることはあるのだと思えた。