バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

『ひびうた』と『本の会』のはなし

昨夜、津市久居にある「ひびうた」で行われたトークイベントへ行ってきた。

トークは京都の古本屋、善行堂さんと『のどがかわいた』の著者、大阿久佳乃さんだったのだが、話の展開が面白く、最後まで笑いっぱなしだった。善行さんの見事な回しにより、脱線してももどってくる素敵な展開、大阿久さんのニコニコしながら善行さんにツッこんだりするところも仲の良さがうかがえ、顔がほころんだ。

 

トークの内容もさることながら、このトークイベントが「ひびうた」で行われたことが感慨深かった。同じ思いを抱いたひとはおそらく私だけではないはずだ。

 

日々、「居場所」として存在している『ひびうた』はこの日、新たにブックハウスひびうたをオープンした。常に進化していくひびうたの流れの早さに、以前、代表である大東さん(いつもみみちゃんと呼んでいるので、以下みみちゃんで)に尋ねたことがある。

「新しいことにチャレンジし続けるモチベーションってなんですか?」

みみちゃんはのんびりと「いやね、やりたいってひとがいるからやるだけなんです。流れに任せていたらそうなったんです」と答えてくれた。

居場所を求めてひびうたへ足を運んだ人達がそこで何かをやりたいと発したら、出来る方法を考え、実行する。言葉にすると簡単だけど、行動することは勇気も根気もいるし、やはりみみちゃんって何者?と思わずにはいられなかった。(普段のみみちゃんは話すと面白いひとです。昨日は「ちくすけ」というワードで盛り上がりました。なんのこっちゃ!)

そんなみみちゃんがいて、面白いスタッフの方々もいるひびうたの空気は一歩足を踏み入れて下さればわかって頂けると思う。

とても居心地が良く、辛かった私を支えてくれた場所なのだ。

 

ひびうたが私を支えてくれた場所であることを語ると、もうひとつ、触れなければならないことがある。この、ひびうたで毎月行われている『本の会』だ。

『本の会』は、現在、友人のソントンさんが主催をされているのだが、元々は津市にあった『ツァラトゥストラはカク語リキ』で始まったものだ。当時、ソントンさんがツァラの「本の会」に参加していて、面白かった話や興味深い話をしてくれたので、私も行ってみたいと思っていた。けれど、私は行動の自由があまりきかない状態だったため、その楽しい話を聞くことでどれだけ愉快な人たちが集まっているのか想像することで楽しんでいた。(私が現在「本の会」でお話している方の中にはお会いするよりも先にイメージしてしまった方もいます。それくらい行きたかったのです!)

結局、ツァラさんが閉店するまでに『本の会』に参加することができなかったことは、今でもとても悔やまれる。

そして、その後、場所をひびうたへ移した「本の会」にようやく参加することができたのだ。実際に参加して想像と違いがあったかと問われるならば、正直わからない。

ただ、新しい発見のある、楽しい場所であることが手に取るようにわかり、はじめて参加した日の夜は興奮してなかなか寝つけなかったことを覚えている。

己だけで消化することに慣れていた事も、言葉として発すると、何かしら反応してくれるのが嬉しかった。ただの自分語りも本がともにいてくれるなら怖くなかった。

 

「本の会」や「ひびうた」がそこにあったから救われたと思うひとは多いのではないだろうか。

おそらく、みみちゃんもソントンさんも「流れに乗っかっただけ」と飄々と答えるだろう。だけど私は「そのようなあなた達だから、この空間が保てているのだ」と言いたいのだ。

 

ときの流れに乗れず、溺れそうになっているときに欲しいのは、正しい言葉ではないと私は思っている。ただ、飄々とそこを流れているひとの服の裾をちょこっと掴むくらいがほど良かったのだ。

 

きっと、これだけふたりを褒めれば、後でこっそりチョコレイトくらい握らせてくれるだろうと期待してこの文章を書いている。

結局、人はもらえるモノに弱い。(昨夜のプレゼント会で出た言葉)

 

人と人はすれ違うもので、きっかけやタイミングによって話す機会が与えられると思っている。

私と同じ空間に居合わせたひとは残念ながらえこさんとタイミングがあっちゃった!やべー!と感じて下さればそれで良い。

けどまあ、それならば、せっかくだから、私と話をしてみませんか?