バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

私も存在している 『存在している 書肆室編』

4年前、はじめて『本の会』へ行った。

友人から「『本の会』は色んな本も知れるし、そこで出会った人たちもとても面白い」と聞き、ずっと行きたいと思っていたのだ。だが、そのときの私の家庭は最悪で、夜に開催されていた『本の会』に行くなんてとても出来る状態ではなかった。行きたい気持ちは常に持っていて、Twitterで流れてくる本の会に参加された方の感想を読んでは、想像を膨らませていた。そんなことを繰り返しているうちに、楽しそうに本のことを語っている人が気になり、面識はないけれどフォローした。それが私と村田さん(イモコちゃん)の出会いだった。

あんなに行きたかった本の会へいざ参加してみると、知らない人ばかりの完全アウェー&精神的に弱っている状態で人と接するのがやや怖い状態であったことで、手汗が出っぱなしで呼吸をするのがやっとだった。友人は主催のため、全体に気を配るのに忙しそうだったので、出来るだけ粗相のないように、静かに、存在をなるべく消すように努力した。ちょうど同じ日に、はじめて参加された女性がいたので、少し話しかけてみたが、その方は「本の会」への参加ははじめてではあったが、参加者の何人かとは知り合いらしく、にこやかに笑っておられ、ああ、私にはムリかもしれない……と泣きそうになった。

私の両隣に会場であるひびうたスタッフの方がおり、その方達が話しかけてくれたことで、なんとか本を紹介することができ、ホッとした。本を紹介する際、「えこ」と名乗ったことで、イモコちゃんがTwitterで私と繋がっていることに気がついてくれた。本当に嬉しかった。この場で、私を認識してくれるひとがいることはとても心強かった。

また、行こう、と思えた。

イモコちゃんが本の紹介をするとき、私は背筋が伸びる。本が好きだという気持ちと本に真摯に向き合っているとわかるイモコちゃんの語り口が私をそうさせる。あの目でじっと見つめられながら、語られた人ならわかるだろう。

私の何もかもを見透かされているようで、恥ずかしくて目を反らしたくなる。

けれど、私はあの目が好きだ。私も応えよう、向き合おうと思えるものがあの目には宿っていると思う。

ひびうたの本屋さん『ブックハウスひびうた』がオープンし、私が訪れるさまざまな本のイベントで「ひびうた」の名が聞こえてくるようになった。名古屋で開催されていた一箱古本市では、隣にいた方々が話されていた会話で「ひびうた」という単語が聞こえてきて驚いた。私は厚かましくも、「すみません、ひびうたって聞こえましたけども……」と話に割り込み、ちゃっかりひびうたの宣伝をした。お相手は本屋さんと出版社の方だった。出版社の方はイモコちゃんからとても熱心な文章のメールをもらい、とても感激したと話されていた。イモコちゃんの本に対する熱い思いのメールに感激したという話は別の出版社の方からも聞いたことがあった。とても素晴らしいことなのだが、あのイモコちゃんならそうするだろうとも思った。そしてなぜか私が鼻高々になった。(ごめんなさい。でも嬉しかったのです)

 

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先日開催されていた「ホンツヅキ三重2023」にて『存在している 書肆室編』を購入した。この本にはイモコちゃんが「今、ここにいる」ことまでが書かれている。私がイモコちゃんと出会った頃はおそらく私もイモコちゃんもわりとしんどい時期だったのではないだろうか。特にお互いのしんどさについて語ることはしてこなかったけれど、本の会や定期的に開催されていたひびうたブックマルシェで関わることで、ともに「今」まで来たような気がしている。

触れるか触れないかくらいのゆるい繋がりであり、顔を合わせるときはいつも笑顔でいてくれるのが私にとってのイモコちゃんだ。

そういえば、ホンツヅキの会場で真っ先に声をかけたのもイモコちゃんだった。

そこに居てくれるだけで安心するよ。

いつもありがとう。

 

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とても、おすすめです!

 

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