開催を心待ちにしていたホンツヅキ三重2023へ行った。
ホンツヅキは三重県内で活躍される古本屋さんが集まって作った団体「三重県まちの古本屋さん協会」が主催している古本市である。昨年の第1回開催は多くの人で賑わっており、今年の第2回も皆が今か今かと待ち望んでいた。
場所は昨年同様、久居のアルスプラザだった。建設されて数年のモダンで開放的な建物に足を踏み入れるだけで胸が高鳴った。歩を進め、目的のホンツヅキ会場へ。開始時間の朝10時に行ったにも関わらず、多くの人が本を眺めていた。私は昨年の個人的教訓を生かし、まずはcafeめがね書房さんへ向かった。cafeめがね書房さんでは書籍、珈琲、猫の形をしたショコラサンド、ドーナツ型のカヌレなど美味しい焼き菓子が販売されている。この可愛らしい焼き菓子目当てのお客様がいらっしゃるため、人気のある商品は午前中で売り切れてしまう。すでに数人のお客様が並んでいたため、私も後ろにつき、背伸びをしながらお菓子を眺めるさまはやや滑稽だったかもしれない。やっと注文の順番が回ってきたので、店主にご挨拶する。先月は店舗にも訪れ、店主とは顔見知りだ。
珈琲豆と数点の焼き菓子を無事に手に入れた。ミッション完了。
美味しい焼き菓子を手に入れたところで、ゆっくりと本を選ぶことにした。棚をじっくり眺めている方がいたら、そこは静かに通り過ぎ、人のいない場所を小島を跳んで歩くように渡り歩いた。
トントントン。
3歩跳ねると知人に会う。
トントントン。
また3歩跳ねると知人に会う。
これの繰り返しで笑えるやら楽しいやら。
ここ数年、本に関する催しものに幾つも顔を出していたため、顔見知りの本屋さん、そこで出会った本好きの方々が何人も会場にいらっしゃったのだった。以前の新しいものが苦手で、知り合いのいない場に足を踏み入れるのが得意でなかった私からは考えられないことだ。本好きな皆と共有できる空間に自分がいることだけで、こみあげてくる何かがあった。
会場には選んだ本を入れる買い物かごがS・M・Lの3段階サイズ置いてあった。私は控えめにSを持ち「このかごに入るくらいの冊数におさめる」と決めたのだが、出店している古本屋さんが「もっと大きいかごの方が良いんじゃない?」とにやにやしながらLサイズのかごを持ってきたので慌てて阻止した。ある意味、恐ろしい鬼である。だが、実はSサイズのかごをいっぱいにしたのち、購入した本を車に積んでから、また会場へ戻って本を購入したのだった。それならLサイズのかごでも良かったじゃないか!とはならない。もう一度、身を軽くして呼吸を整えてから本を選ぶことに意味があるのだ。(身軽になるためまた1から本が買える)
こちらが購入した本。
新刊本を取り扱っている散策舎さん(こちらの店主とも顔見知りである)に「桃を煮るひと、それがラスト1冊です!」と言われ、まんまと購入。外国文学、エッセイ、漫画など我ながら良い買い物をしたと感じている。
夜には、ホンツヅキ非公式イベント「ホンツヅキのツヅキ」に参加した。これはホンツヅキで購入した本をその場で読んだあとに紹介するイベントだった。ひびうたをお借りして毎月開催されている「本の会」で顔を合わす面々と購入した本について語り合った。こちらが皆が購入した本、勢ぞろい写真である。
全部で69冊あるらしい。参加者が11人だったので……うん、計算はやめよう。この翌日にもまたホンツヅキに繰り出した強者もいたので、さらに冊数が増えたことと思う。
私たちの合言葉は「呼吸をするように本を買う」
会が終わっても余韻が冷めやらず、建物の外で少し談笑した。本が好きで今この時を、気持ちが昂っている者が一緒にいることが幸せだった。
ホンツヅキ三重2023は大盛況の中で終了した。
私たちを楽しませてくれた三重県まちの古本屋協会の方々、ありがとうございました。
手にした本を読んで次回開催を楽しみに待っていようと思います。
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アルスプラザの自動ドアに何か虫がいるなと思ったら、ラミーカミキリでした。虫を気持ち悪いと思わないで、ぜひ、色と造形を見て欲しいです。かっこいい。
翌朝の朝食はcafeめがね書房さんで購入した珈琲とレタスたまごサンドでした。
ホンツヅキを楽しみにしすぎて、久しぶりに手足の爪にネイルしました。
グリーンとイエロー。
私がネイルすると夏ですね。