バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

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私がはじめて「ひびうた」を訪れたのは、友人が主催をしている本の会へ参加するためだった。不安が多い時期で、常に身の危険がないか神経を尖らせている頃だった。家にいても、人の足音が聞こえるたびに怯え、息を殺して過ごしていたため、人がいるところ、ましてや知らない場所へ足を踏み入れるのはとても勇気のいることだった。

知り合いは主催者のみ。とても怖くてそれでも本のことを話せる人と知り合いたくて向かったその日、話しかけてくれたのはひびうたのスタッフである、にゃーさんとひびうた代表のみみちゃんだった。あの瞬間の光景を私は忘れることがない。

にゃーさんが私が座る場所を空けてくれ、「イケメンの隣だよ。良かったね」と言い、イケメンと呼ばれたみみちゃんが「また……そういうフリをして……」と、少々困ったように笑った。

もう、それだけでもう十分だった。私は今、ここに座っていることが許され、気を張らなくても良いのだと思えた。緊張しすぎて絵本の紹介が上手く出来なくても、みみちゃんが「じゅうぶん話せてますよ。僕なんかよりずっと」と言ってくれた。そのあと、みみちゃんが本の紹介(確か、モウリーニョ)したのだが、その本が読んで見たくなるほど鮮やかだったので、私へ向けた言葉は私を安心させるための言葉であったと受け止めた。

それから何度も本の会へ参加するために(その他に音楽の会にも参加していた)ひびうたを訪れた。

私はひびうたへ10回くらい行っても、まだ、車のハンドルを握る手が汗でベタベタになるくらい緊張していた。それから、遅刻することも怖くていつも30分以上前にひびうたへ到着していた。

今思えば、確かにはじめての場所は苦手ではあるけれど、常に神経を尖らせて過ごしていたため、安心できる時間の方が少なかったことが原因だと思う。

早く着いて、心を落ち着けているときは、たいていみみちゃんと他愛もない話をした。日々のことであったり、映画の話であったり。その時間が私には楽しみな時間で、とてもありがたかった。

 

私はとても不器用で、離婚調停を開始しようと決意したとき、大好きで心の拠り所であった「本の会」へ行くのをしばらく止めた。

「しばらく来ないと思います。心を固くするために、やるべきことをやります。すべて終えたらまた、ここに来ますね」

私の不器用すぎる発言もみみちゃんは静かに聞いてくれた。次にひびうたへ行けるのは何ヵ月、何年後になるかわからない。それくらいの決意を持って挑んだ離婚調停を10ヶ月弱で終えることができたとき、内心ホッとし、なんだか泣けてきたのだった。

久しぶりにおとずれたひびうた。やや緊張しながら、扉を開けると、にゃーさんが「おひさしぶーりーね♪」と小柳ルミ子ばりの歌唱力で歌ってくれ、思わず笑ってしまった。何も特別ではない、ひびうたでは良くある光景なのだ。ゆるやかな時間がそこでは流れていて、見えない何かで守られているようだった。

 

そこから数年、私は今もひびうたで遊び、笑い、お世話になっている。

みみちゃんは毎年、新しいことをはじめる。例えば、まちライブラリーをしてみたり、本屋さんを始めたみたり、シェアハウスを作ったりする。そのたびに私は「すごいですね。新しいことをするのはパワーがいるのに、次から次へとビックリします!」とみみちゃんへ話しかける。すると、みみちゃんは決まってこう話すのだった。

「利用者さんの声を聞き、カタチにしようと思ったら自然とこうなったんですよ」

 

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その「ひびうた」がまた、新しいことを始めようとしています。

私の傍らで寄り添ってくれた場所とヒトを私は応援したいと思っています。

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わたしたちの『共有地』を作り、また、ここから広がっていければと願っております。

 


違いのある人が共に過ごせる、わかち合いの『共有地』をつくる。(大東 悠二 2022/09/08 公開) - クラウドファンディング READYFOR