自身を守るために避けて通るのが懸命だとわかっていても、避けたゆえに明確な答えがみつからなくなることがいやで、結局は勇気を持って真正面からぶつかっていってしまう。
それはきっと下手な生き方なのだろうけれど、自分に正直だと思う。
どれだけ心が痛んでも、私は私に嘘をつきたくはない。
痛んでも痛んでも立ち上がってきた先にあった答えは自分に正直であることだった。
時々、夢を見る。
内容はよく覚えていないことが多いが、目を覚ましたときに涙が流れていたりする。これは私の心が流した涙なのか、それとも外的要因による涙なのかいつもわからないまま指でそっと涙を拭う。
先日、舞台を観終えたあとに、観に来ていた知人を2人捕まえ、表向きは舞台の感想という名の「私がひとり話しまくる」をしたら、だいぶすっきりした。
「これは赤裸々すぎて書けませんぞ!」
などと言いながら病院へ行った話をし、子どもがイキってる話をした。ひたすらへらへらしていたら、なんだかすべてがどうでもよくなってきた。
夜のひんやりとした空気が心地よく、私の声は闇に馴染んで消えていった。
いつもは川を観に行くのだけれど、それもいらないくらい気持ち良かったのだった。