バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

スープをコトコトゆっくりと。

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農産物直売所に安くて立派なセロリが売っていた。

セロリは好みの分かれる野菜だから、立派なものでもこうして出会える時がある。
ピクルスにでもしようかな?と思い浮かべながら手に取ると、娘が「セロリの入ったスープが飲みたい」と言った。
寒くなると温かいスープや味噌汁がとても美味しく感じるので、毎日冷蔵庫にあるものを使って汁物作っている。娘が飲みたいと言った「セロリの入ったスープ」は何も特別なことはなく、色んな野菜を入れたコンソメ味のスープである。
今日は、セロリ、玉ねぎ、人参、キャベツ、しめじを入れた。あ、それからベーコンを入れたかったけれどなかったのでソーセージを切って鍋に入れた。コンロで軽く火を通した後、鍋を石油ストーブの上に移した。コトコトとゆっくり火が通っていくにつれ、部屋の中がセロリのにおいでいっぱいになった。(苦手な人は耐えられぬかも知れない)
ちょうどその時、近所のおじさんが回覧板を持ってきて「なんだか美味しそうなにおいがするね」と言って帰って行った。
 
コトコト。ゆっくり。ゆっくりと。
 
野菜がだいぶくたくたになった時に味見をしたら、程よい味になっていた。濃くもなく薄くもない程よい味。
器によそい、食卓へ運ぶ。
器を手に取り、持ち上げてみる。
手から伝わる温もりと、鼻から伝わる優しいにおいと、口に入れた時にホッとする味。
 
けれど、どこにでもある味で特別ではない。
 
わかってはいるけれど、それでも私は娘にとってどこか特別なスープであって欲しいと少しばかり願ってしまうのである。
 
 
 
***
 
 
鍋は偉い。
晴れていようが、曇っていようが、雨だろうが、スープはどんな空にも合う。
熱いうちに食す。
そして、「とにかく、おいしい!」
 
『それからはスープのことばかり考えて暮らした』を読んでからは、前よりももっとスープを作っている時間が楽しくなったんだ。
  

 

 

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)