心と体が連動して機能しなくなったため、少しだけおやすみ時間を設けることになった。
なんてことはない。自分のことを放っておいたら、疲れきってしまったので会社側が「ちょいと休みなさいな」と提案してくれたのだ。小さな会社でそういったことの前例がなく、書類もままならない状態でスタートしたが、「やらなきゃ。頑張らなくちゃ」がひとつ減ったことがこんなに気持ちをラクにするのかと少々驚いた。
離婚後の煩雑な手続きはまだ終わっておらず、これも心が休まらなかった理由のひとつかもしれない。改姓したことに伴う手続きの数々、ひとり親家庭になったことによる手続きも1つや2つではない。元々、電話があんまり得意ではないため、電話で問い合わせることだけで、それなりに消耗する。毎日、書類を書くこと、または、役所へ行くことを繰り返している。
この1ヶ月程度のあいだに観劇、映画、講演、展覧会へ足を運んだ。コロナの影響で止まっていたものが動きだし、私の乾いた心を潤わせてくれるモノたちとの再開を果たしたのだ。
私の心は疲れて乾ききり、砂漠のようであったため、見るものすべてが恵みの雨のように私の心へ染みてきた。ちょっとしたことで感動し、心が満たされると優しくなれる自分が見えるようになってきた。
8月が終わる頃、「新しい生活をはじめた節目に何か買いたい」と思い、選んだモノが9月終わりに届いた。
つぐみと宝物のリング。
実用品ではないけれど、眺めていると心が満たされる。可愛いモノやきれいなモノは私にとって必要不可欠なモノだ。
青い石はアパタイト。
「きれいだ」という理由でこの石を選んだが、届いてからアパタイトの意味をなんとなく調べてみた。
・不安を取り除き緩和させる
・考え方やその方向性を調整し安定させる
なんだか、とても良いタイミングでこのリングを手にしたような気がした。