雲のあいだから月が顔を出していたので写真を撮ろうとしたが、手を動かしてしまい、ぐんにゃりした写真になった。
パレットの上で何色かの絵の具を混ぜ合わせたような色は、すっきりしているようで何かを抱えている私の心境にぴったりだった。
最近は流れに乗っているようで、動きが滞ることがない。仕事にしても家事にしても、重たい気持ちになることが少なく、健やかってこういうことかなって思っている。鬼滅の刃遊郭編を2日間で一気見したり、ドラマ「シジュウカラ」が思いもよらぬ展開になったりするのを楽しんだりしている。
先月、TOUTEN BOOKSTOREで購入した『三春タイムズ』を読んだ。東京から福島県三春町に移り住んだ著者が、三春町での日常を綴っているエッセイだ。行われるお祭りや習わしが、私が結婚していたときに住んでいた町内の行事に似ていて、懐かしいような何とも言えない気持ちになった。辛いことも多かったけれど、あの日のあの時間はささやかな柔らかいものだったという感覚がよみがえってきた。今の生活に満足している。選択を間違ったと思ったことはない。だからこそ私が過ごしてきた時間を振り返ることもしていきたい。戻りたいわけではなく、先に進みたいからこそ振り返る。
歩いてきた道に私のあしあとがあるのか確認したいだけ。
明日もきっと怒ったり笑ったりするのだろう。
心の中にある大事なものを掌で包んで「できる。できる」って唱えながら乗り切るつもり。
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