バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

『博物館の夜 原田郁子と寺尾紗穂』

京都文化博物館で行われた『博物館の夜 原田郁子寺尾紗穂』へ行った。

寺尾紗穂さんは『博物館の夜』と題したライブを年1回程度で行っている。京都文化博物館は100年以上経つ建物であり、造りが重厚さに驚く。太い柱を眺めながら、戦争をも耐え抜いた建物から発せられる熱を感じた。とはいえ、屋根の高い建物内はとても冷えている。以前のライブでそれを知ったので、開演前に無料で配られていた使い捨てカイロを前に「今日は寒くないからいらないかな」と話していた方に「ここの中はとても寒くなりますよ」なんてお節介にもお伝えした。


f:id:bambi_eco1020:20240119110034j:image

早めの整理番号だったため、最前列の席に腰かけた。まずは寺尾紗穂さん。1週間前に観た「冬にわかれて」とソロはやはり違う。それぞれの良さがあるのでどちらが優れているということはない。寺尾紗穂さんはその土地、その場を大事にしている方で、演奏する曲の選び方や話される言葉も魅力的だった。こくんこくんと首が前後に揺れてしまっている方もいた。心地よさで眠りに誘われてしまったのだろう。

冬にわかれてのライブでも話されていたオーブの話から「歌の生まれる場所」へ。私はオーブを見ることはないのだが、景色の色が変化することはある。通常の色彩で眺めていた景色が目を瞑って開けたときに、鮮やかに発色していたり、セピアに変わったりする。なんとなく呼ばれているような方向へ顔を動かす。霊感はないので、おそらく「気」とかそういった類いのものだと思う。なので、紗穂さんの娘さんが一時期、天使と会話をしていたと話されていた時も何も驚きはなかった。この日も色がダークに変わったり、淡くなったりした。


f:id:bambi_eco1020:20240119110049j:image

紗穂さんの次は原田郁子さん。クラムボンのライブは何度も行っているのだが、郁子さんの天真爛漫さと自由さが眩しく見える。以前、四日市メリーゴーランドで行われたライブへ行った際、ライブ中に地震があった。皆が動揺するなかで、郁子さんの天真爛漫さは場を和ませた。そういう力が彼女からは発せられている。惹き付けられて目を離せなくなる。

原田郁子さんのあとは寺尾紗穂さんと原田郁子さんのセッションライブ。

今回、いちばん観たかったのはこのセッションライブだった。YouTubeに上がっているおふたりのセッションを観てから、とても観たいと願っていた。ふたりになると、いつもクールそうに見える紗穂さんがなんだか妹のようで可愛らしかった。郁子さんは相変わらず自由なのだが、紗穂さんを気にしつつ、お姉さんのようになる。歌いかたや弾きかたのスタイルが全く異なるのに、なんとも言えない音がそこに響いていた。クラムボンの「タイムライン」ですでに涙が溢れてしまったが、そのあとの「ナイトクルージング」や「スロウ・スロウ・トレイン」のカバーも素敵すぎて夢の中にいるようだった。紗穂さんが「楕円の夢」を弾いているとき、ゆっくり動く郁子さんが良かった。おふたりから、音楽が好きなのだという思いが溢れていた。


f:id:bambi_eco1020:20240119111029j:image

満たされた思いで京都文化博物館を後にした。

外の空気が幾分か柔らかく感じた。