バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

思った

柔らかで温かみのあるもの

数ヶ月前の記憶が確かであるならば、例年より冬の訪れが遅かったはずなのだが、昨年とまったく同じ日に雪が降った。 移りゆく季節を肌で受け止める作業は切なくて、時折泣きそうになる。ふいに涙が溢れたら、きっと周りのひとは知らん顔してくれる。それが流…

制限と自由

津示路教会で午後に開催される箱舟古本市に出店する予定があったため、午前中は礼拝に参加した。 津示路教会は日本基督教団なのだが、私が幼い頃から通っていた教会も日本基督教団の教会なので、礼拝はいつもリラックスして参加している。たいして、知人の牧…

ひとりでしか見えない景色

少し遅めの起床。これから出かける予定があるのだが、まだ寝ている子ども達用におにぎりを握る。かつて「自分のことだけを考えればいい」という日があったことを忘れ始めている。起きたらごはん、起きたら洗濯、常に生活を共にしている者のことが頭をよぎる…

帰路

シネコンでレイトショーを観終えて席を立った。誰もいなくなった座席を横目に通路へ出る。フード売り場の照明はすでに落ちており、ショッピングモールへ延びている通路にはシャッターが降りていた。皆、足早にエレベーターへ向かう。昼間は多くの人で賑わっ…

沙東すずさん『奇貨』読みました

沙東すずさん(旧 メレ山メレ子さん)『奇貨』を読んだ。 恋人を終わりを迎えたことによる数々のエピソードをX(旧ツイッター)にたくさん投稿されていたのを眺めていた頃から「これは本になるはず。まとまった文章になったら必ず読む」と決めていたのだった。そ…

私も存在している 『存在している 書肆室編』

4年前、はじめて『本の会』へ行った。 友人から「『本の会』は色んな本も知れるし、そこで出会った人たちもとても面白い」と聞き、ずっと行きたいと思っていたのだ。だが、そのときの私の家庭は最悪で、夜に開催されていた『本の会』に行くなんてとても出来…

私は考える

集団で会話をするのではなく、1対1で会話をするとき、自分の口から発せられる思いもよらないことばに驚くことがある。 それは、先日、寺地はるなさんと話しているときや、サウダージブックスから本を出版された大阿久佳乃さんと話しているときに感じたことだ…

頼って生きて行きましょう。

発売してすぐに『母親になって後悔してる』を購入した。この本には23人の後悔している母親の姿が綴られている。皆、それでも子どもを愛している。 子どもを産むと世間からは「母性のある正しい母親」を求められた。子どもを産んだからと言って、上手く立ち回…

『夕寝』6号より

昨日、津市久居にあるひびうたで行われたブックマルシェにて一箱古本を出店しました。 一箱に出店するにあたり、何か自分らしさを表現したいと思い、フリーペーパーをお配りしているのですが、今回お渡しした『夕寝』6号の内容をこちらに載せておきます。 ア…

夢から醒めるとき

通っていた小学校の裏に公園があった。その公園には遊具とグラウンドとつつじ園があり、その横にはお寺があった。年に1度、その公園で大きなお祭りが開催された。祭りの準備を学校の廊下から眺めることができたため、子どもたちは目を輝かせながら、祭りに行…

卒業式でした

娘の中学校卒業式だった。 新型ウイルスのために、中学校入学式を終えた翌々日から約2ヶ月の休校、クラスメイトとも顔を合わせることもなく、スタートした中学校生活だった。行事も中止、縮小を余儀なくされ、息子が中学生だった頃と比較すると、校外学習、…

一緒に本屋へ行きましょう

1月31日。 渋谷の東急本館が閉店とテレビで放送されている同日に、名古屋の七五書店も閉店した。 私がはじめて七五書店を知ったのは、友人からだっただろうか。それとも本屋図鑑だろうか。どちらかは定かではないが、育児で慌ただしく、本もまともに読めない…

20230112 ~心の中は泣いてるの

イベント準備で仕事に追われ、やっと一息。 1日のうち半分の時間を仕事に費やしたのだが、残った12時間は何をしていたのだろう。6時間は睡眠、1時間は通勤時間、2時間は家事、あとの残り時間が本を読んだり、お風呂ってところかな。言葉通り、目が回りそうに…

生きる

お風呂から上がり、屈んだとたん世界がぐらっと揺れ、そのまま立てなくなってしまった。ああ、また回転性のめまいがやったきたのだと理解した。和らげる体操を試みようとするも、吐き気が強く頭を動かせる状態ではなかった。とてもしんどくなってきてしまい…

秋の空

「男心と秋の空」「女心と秋の空」どちらが多く使われるのかわからないが、今日この話題を出すのであれば「男女関係なく個人の問題」となるのだろう。 秋の空のように変わりやすい心は主に恋愛についてだろうけれど、私は時々それがとてもうらやましくなる。…

ひとりよがり

ひびうたで開催された本の会に参加した。 ほぼ毎月開催される本の会に手作りおやつを持参し始めて約2年になる。きっかけは私が苦しかった時に穏やかな場を与えてくれたことへの感謝だった。そこからは楽しみにしてくれている人の存在があり、現在に至る。フ…

見渡す

やりたいことはたくさんあるのに、なかなか手が進んでいかない。 日常は映画、ドラマ、本、音楽のあいだにあって、なんだかふわふわしている。 ガトーショコラを作った。ガトーショコラはバレンタインの時期に作ることが多かったので、暑いときに作るのはな…

練習

家庭や子どもの話になったとき、時折、昔の出来事を口にする。 「なぜ、こんなことをされたのだろう」 晴れぬ疑問がわたしの口から空気を伝い、音にする。 私のことばを私の耳で聞いているうちにさらに疑問が増し、感情的になりそうだったため、目を閉じ、す…

知らないことが多すぎて

1年のうち、ケーキを食べる日は家族それぞれの誕生日とクリスマスで、あとは入学などの祝いごとだけだった。そこに2年前から「独立記念日」(離婚成立日)が増え、ケーキを食べる日になった。2年目にしてなかなか子どもと一緒に買いに行けず、独立記念日から20…

本質を見極める

8月の中頃はずっと体調が芳しくなかった。動くとすぐに疲れるため、優先的でない事柄についてはすべて放棄し、ひたすら横になっていた。体調が優れなくなると健康であった日々を思う。けれど、健康な日々が続いているときにはそれらのことをすぐに忘れてしま…

6月。 不安定な5月を生き延びた先の6月はどんな日が待っているのかと期待したが、昨夜はあまり眠れず、今日も穏やかになれなかった。 月初の忙しさに加え、横から仕事を挟み込まれる。できれば言いたくないことも言葉にしていかないと、私の尊厳が守られない…

ねむっていたい

足の裏に意識を集中させ、地の上に立っている自分を感じる。 立っているということだけで幸せと思えた日を想像する。 それができるならもう、何もなくてもいいのではないかと思う。 何年も暗い水の中から浮上出来ないでいるような気がしている。光の射す方向…

マグカップ

家にマグカップが3つある。どこかでもらったショップ名が入っているものと、やはり何かでもらったスヌーピーのものと、もう1つは私が昔、ディックブルーナ展で購入した「ブラックベア」のものだ。 ブラックベアのマグカップは気に入って使っているけれど、…

『kalas』のこと。書くことについて。

現在、休刊している翼のある小冊子『kalas』の発行人であり、古書kalasbooksを営んでいらっしゃる、西屋さんのお話をうかがえる会が開かれたので参加した。 数ヶ月前、友達が小冊子kalasを購入したツイートをしていたため「私も持ってますよー。大好きな冊子…

2021.12.21 ~積み重ねる

首をカメのように引っ込めて歩く日とカモシカのようにまっすぐに疾走する日を繰り返している。 1年が始まるときは、365日に期待を膨らませ、やりたいことリストを書き出すくらいの勢いでいるけれど、実際には12月になると何にも遂げていない気持ちになる。 …

江國香織さんのレクチャーが素晴らしかった話。

12月12日。 四日市にあるこどもの本屋「メリーゴーランド」で開催された江國香織さんのレクチャーへ行ってきた。 レクチャーへ参加してみたいと何年も思っていたけれど、生活(心も)がなかなか落ちつけずやっと実現できた。 今回、定員50名ところを状況も落ち…

夜をあるく

2年半くらい前にとても悲しいことがあった。その日は家にじっとしていられなくて、夜に外へ出た。何も目的などはない。ただ、どこまでも続いている道を行けるところまで歩いた。歩きはじめたときは、頭の中が混乱していておそらく無表情だったと思う。しばら…

健康診断を受けたはなし。2021

やあやあ! 地上の皆さん、こんにちは!宇宙の皆さん、こんにちは! 今年もめでたく健康診断を終えたので、健康診断のはなしを書いていきたいと思います。なぜか健康診断のことを書くときは、このテンションでないと乗り切れません! イヤッホゥ! 朝、7時半…

環境は大事

塾の保護者会があった。 勉強法や受験の説明などを聞いたのだが、その中で「成績を上げるためには次の3つが大事です」と黒板に書かれた文字を指しながら、塾講師が話始めた。 2つは省略するが、最後の1つに「環境」と書かれていた。 娘と顔を合わせ「環境は…

傘のむこう

意識せずとも鼻腔を刺激していた金木犀の香りはいつの間にか何処かへ消えていった。 半袖を着ればいいのか、それとも長袖にするか、悩んでしまうような気候は私の移ろいやすく、ぐらぐらしている心のようだと思う。 手を伸ばしても届かないものへ思いを馳せ…